古谷経衡『左翼も右翼もウソばかり』

 詳しい感想は明日のトークイベントで話すけど、ここ最近の古谷さんの主張を総展望できるいわば「古谷経衡入門」という感じだ。ただし古谷さんの「嫉妬」論の観点が入ってないのでそれは他の著作を読んでほしい。

 個人的にはやはり第三章の「安倍首相が「危険な政治家」であってほしい、願望」がとても役立つ。安倍首相の実際の発言と行動を丁寧に追うことで、少なくないネットやマスコミの安倍批判の核にある「願望」の危険性を明らかにしている。

 本書の一文を引用しておく。
 「なるべく「科学」や「データ(事実)」をベースに物事を見るー本書で繰り返し主張してきたのは、その重要性である。その結果、いかに自身に都合の悪い事実があったとしても、或いはいかに辛く過酷な現実であったとしても、それを直視するところにしあ、真実と進歩はないと、筆者は確信している」

 これは何度も何度も戒める言葉にすべきだろう。

左翼も右翼もウソばかり (新潮新書)

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