いわゆる嫌韓やネトウヨが喜ぶような類の韓国＆朝鮮本とは一線を画したすぐれた対談。やはり見解が近い人同士が話したものが一番面白い。嫌韓やいわゆるネトウヨが好む韓国＆朝鮮本は、他国を貶めることで自国や自分のプライドと高めるというどうしようもない構造になっているものが多い。
しかし本書を読めばわかるように、この本には朝鮮とのここ150年近くの「交流」を通して、著者二人が明らかにしているのは、近現代日本への率直な批判である。また倉山さんがあとがきで書いているように、その都度の韓国「叩き」に没頭しているいまの日本の多くのネット民、リアル民の姿への批判でもある。朝鮮をそのような脊髄反射的な「点」でとらえるのではなく、「線」いや重なり合う「面」でとらえること、複眼的視点（空間的には日本と朝鮮半島だけではなく、その周辺の陸と海、時間的には近現代だけではなくいくつも流れるそれぞれの「クニ」「国民国家」の歴史などを、同時にみること）が本書では意識されている。
たまに率直な意見がですぎてｗ ぎょっとすることもあるだろう（特にこのふたりの発言に慣れていないとｗ）。しかし面白い。ぜひ手元におき、何度か読んだ方がいい。賛成するものも反論を抱くものも、近現代の日本の姿を朝鮮を通してみることができる優れた対談の記録である。
しかしくららの本の紹介多いな 笑。
- 作者: 宮脇淳子,倉山満
- 出版社/メーカー: ビジネス社
- 発売日: 2014/06/30
- メディア: 単行本
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