リフレと再分配の政治経済学第二回(読書リストと勉強の手引きつき)

片岡剛士さんとの対談の第二回。エッジワースボックスとその修正版(市場外の話をとりいれたもの)をめぐっていよいよ本題へ。

https://www.youtube.com/watch?v=Yc-Gh2e191M

第二回の前にイントロダクション、第一回の視聴は絶対条件ですが、それ以外にも「弱者のための新古典派経済学」でパレート最適、市場の均衡、余剰概念などを学んできていただければ幸いです。

さらにエッジワースボックスについては、以下のスティグリッツの教科書の「競争市場の効率性」が最もわかりやすいと思います。

スティグリッツ ミクロ経済学 (スティグリッツ経済学シリーズ)

スティグリッツ ミクロ経済学 (スティグリッツ経済学シリーズ)

今回では、このエッジワースボックスの修正版をもとに議論しています。第一回でも紹介しましたが、これは片岡剛士さんの以下の書籍の最終章をそのまま番組用に説明したものです。ぜひ一読ください。また私の専門論文からの抜粋でも類似のものが読めます。片岡さんと僕のエッジワースボックスの修正版は、番組でも話したように、辻村江太郎先生の発案をもとにしています。以下の二冊がその考えを詳細に展開しています。

日本の失われた20年 デフレを超える経済政策に向けて

日本の失われた20年 デフレを超える経済政策に向けて

はじめての経済学

はじめての経済学

経済政策論 (経済学全集)

経済政策論 (経済学全集)

また片岡さんの指摘したベバリッジの福祉と市場についての見解については、ベバリッジ自身の本(完全雇用政策と福祉政策の両輪を追う政策観)が重要です。また彼の業績を俯瞰したすぐれた専門業績も紹介します。

自由社会における完全雇用 上・下(1953年)

自由社会における完全雇用 上・下(1953年)

ベヴァリッジの経済思想―ケインズたちとの交流

ベヴァリッジの経済思想―ケインズたちとの交流

アダム・スミスの市場観を辻村先生が、リカードなどと対比した面白い経済学史的な本としては以下をおススメします。

経済学名著の読み方 (日評選書)

経済学名著の読み方 (日評選書)

また「生存権の社会政策」については、福田徳三の以下の本を。福田の弟子の中山伊知郎については、辻村氏も影響をうけた以下の労使関係の経済学書をおススメします。また辻村的日本経済学史も面白いものです。これについては最後の本を。

生存権の社会政策 (1980年) (講談社学術文庫)

生存権の社会政策 (1980年) (講談社学術文庫)

以上までの本をすべて読むと、片岡さんや私の経済学観の一端がお分かりいただけると思います。第三回以降はどんどん考察を深めていきます。