山形浩生「リフレーション政策の個人史と展望ー経済成長のありがたみを再認識する」in『atプラス』16号

 リフレ政策*1をめぐる山形さんの個人史とはなっているが、事実上、日本でどのようにリフレ政策が浸透していき、そして現実の政策として結実したか、また現状と今後の見通しまでふれている超すぐれものである。

 山形浩生さんがいなければおそらくリフレ政策の日本への啓蒙もその導入も著しく遅れただろう。またたいそう、つまらない閉鎖的な議論となってネットや世論に訴える力をもたなかっただろう。山形さんがずっとリフレ政策を支持し、その啓蒙につとめてくれたこと、他の多くの人も思っているだろうけど、ここに代表して感謝します。ありがとうございます。まだこれからも何度も峠があるでしょうから頑張りましょう。

 他の経済関係(政治、外交関連もひどくて話にならないが)はどうでもいいが、この山形論説を読むためだけにでも一刻も早く入手読破すべし。

 経済問題が自然現象とはまったく異なり、人間が関与し、そしてそれゆえに個々人の可能性を生み出したり、逆に可能性を閉ざすこともあることを、山形論文を読むとよくわかる。いまのところ、日銀は100%のリフレ政策を実施している。しかし、まだリフレは貫徹などしていない。

 これからの数年のリフレ論争こそが決定的に重要かもしれない。そのためにもぜひ予備知識として一読を

atプラス16

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*1:デフレを脱却して低インフレにもっていき日本経済の雇用の最大化や成長の安定をもたらす政策、アベノミクスでは「大胆な金融緩和」として現在の日銀が実行中