まもなく勁草書房から、藤田菜々子さん訳でミュルダールの国際的な研究書の邦訳が発刊されます。若田部昌澄さんと僕が監修している「経済学の偉大な思想家たち」シリーズの第一弾です。このバーバーの著作を読むと、ミュルダールが取り組んだ課題というのは、現代の私たちとまったく同じ課題であったことがわかります。不況の中での金融政策の在り方(特に期待の役割)、人口問題と社会保障、経済格差、経済政策における価値判断の問題など、いずれの問題についてもミュルダールが真剣に、そして時には柔軟に取り組んでいるのがわかります。また欧米の国際機関や人物の交流史としても読めますし、なによりも夫婦そろってのノーベル賞受賞者という経験者はあまりいず、夫婦の活動の側面史としても貴重な貢献ですね。
まだ発刊まで時間がありますが、アマゾンではすでに予約受付中です。このブログでもこれから機会をみつけてこの著作の意義とミュルダールの業績についてもコメントしていければな、と思います。
グンナー・ミュルダール ある知識人の生涯 (経済学の偉大な思想家たち)
- 作者: ウィリアム・J・バーバー,田中秀臣,若田部昌澄,藤田菜々子
- 出版社/メーカー: 勁草書房
- 発売日: 2011/05/31
- メディア: 単行本
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