『デフレと円高の何が「悪」か』(光文社新書)で鮮やかに登場した上念さんの待望の第二作は、日本銀行の体質にするどく切り込んだ本となりました。このタイトルの「日銀貴族」とは、日本経済が長いデフレに陥りながらも、それを事実上放置して恥じない日本銀行の体質、その日銀幹部たちのマインドや構造的な「利権」体質をも意味しているのではないでしょうか。
すでに「日銀貴族」問題は、岩田先生の『日本銀行は信用できるのか』、拙著『デフレ不況』、宮崎哲弥。飯田泰之・勝間和代『日本経済復活 一番簡単な方法』,、また国会や昨日の高橋洋一さんの『夕刊フジ』論説などで触れられていますが、本書はおそらくこの日本銀行のデフレ放置と日銀の既得権体質の経済合理的な関連をあぶりだしてくれるものになるでしょう。噂ではさらに直撃弾が用意されていて、この「日本銀行問題」は、そのマクロ経済政策の在り方だけではなく、この銀行とその周囲との関連まで深く批判的に検討されていくでしょう。
現在もっとも乗りにのってる上念さんの第二弾。早く読みたいものです。
- 作者: 上念司
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2010/06/17
- メディア: 新書
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