亀井大臣のモラトリアム法案の雑談

 まあ、もう少ししたらまともなこと書くつもりだけど、その昔、大恐慌期にアービング・フィッシャーが負債をモラトリアムできれば負債デフレは起きない、と書いたことがある。彼はモラトリアムをすすめたわけではなく、そんなモラトリアムは現実には不可能であるから、リフレーションで実質負債を軽減して、負債デフレ不況から脱出するべきである、と書いた。ちょっとうろ覚えなので間違ってたらすまん。

 そういうわけで、フィッシャーもまさか本当にそんな負債のモラトリアムをまじにやる政治家が彼の没後半世紀以上たって、極東の一小国に誕生するとはw 墓場の中でも思わないだろう(あ、思えないか。

 以前、紹介した英誌『エコノミスト』のアービング・フィッシャーについての解説記事が邦訳されてるのでついでにご紹介。この記事は最後の方以外はとてもまとも。

 復活するアービング・フィッシャー:ケインズの影から抜け出すhttp://jbpress.ismedia.jp/articles/-/614

 後半の記事独自の解釈についてはnight_in_tunisiaさんがhttp://mathdays.blog67.fc2.com/blog-entry-953.htmlできちんと注釈を加えている。

 僕がさらに書きくわえるならば、この『エコノミスト』の記事は、ここでむしろケインズの影を思い出すべきだろう。金融政策が限界にきて財政政策の出番、というのではなくて、ケインズがいったように将来の貨幣膨張政策という点で、フィッシャーの政策はさらに補強されるだろうし、そこにそれこそ財政政策へのコミットを組み合わせるべきであるということ。金融政策を中途半端に「限界」がきました、なんてかの「最後の貸し手」理論の総本山バジョットの後継者の口からでたとは思えない(笑)。