定額給付金雑感

 定額給付金が政治的な争点にまたなっているみたい。実はなんでもめてるのか理解不可能。年末に、偶然に聞いたJ-WAVE(ちなみに同局の経済ネタはジョン・カビラの落ち着いた物言い以外はゲスト含めて最低最悪。10数年来の視聴者として涙)にたぶん大川総裁がでていて元気よく?「定額給付金は政策ではない(あんなのだめ)」みたいなことを何度も興奮ぎみに話していた。

 ちゃんとした政策だと思うけれどね。で、野党陣営がこれを政争の具にした理由が世論の反対みたい。いわゆるバラマキ。よく知らないけれどもミッチーの息子も定額給付金に反対しているよう。

 そもそも埋蔵金を利用しての定額給付金だったら、十分な景気「政策」である。将来の増税にコミットせずに、埋蔵金を利用することは(きびしい不況下で埋蔵金を利用して国債償却を推し進めるのは単にナンセンスなので)、十分に景気刺激的である。

 僕が反対するとしたら、1)定額給付金の額が全然足らん。20兆円ぐらいばらまけば、単純にひとりあたり12万円になる。これは一部が貯蓄に回ってもかなりの消費刺激になる。2)将来の増税とかに不況のときにコミットしない、の二点だろう。そしてこの二点で現状のスキームはぜんぜんだめ。

 で、ちょっと不思議なんだけども、野党は反対している理由には、この定額給付金とほぼセットで語られた「三年後の増税プログラム」への批判はあまりきかないこと。与党になったら自然放棄という理由かもしれないけれどもこのブログでも書いた94年ときの細川→羽田→村山という「政権交代」のときもなぜか自然継承されていて今回もどうもそれぽい。

 つまり埋蔵金利用の定額給付金は断固反対(与党はいちおう賛成)、でも三年後の(財務省がつくった)増税プログラムはフリー

 という深刻な不況では、先進国でもきわめて異例なマゾ的な政策論争をいま与野党はしている。