不思議なことなのですが、教える立場になると、超噛み砕いてなおかつ直観的に、さらには時事的テーマをからめて語る際には、依拠するテキストが直観的でかつ時事的テーマが豊富なものよりも、かえって簡明な理論中心で説明をしているものの方が、教員としては使い勝手がいい場合があります。
直観的な説明は自分でしますし、また時事的なテーマはどうしても既存テキストのものは出るしょっぱなから多少の古さを免れませんから、これまた自分で補ったほうがいいのです。むしろ本の書き方が特殊な時事的テーマを援用して説明してあったり、直観的な説明が延々と続いたりしているとかえってまだるっこしく感じるときもあるのです。
ですので生徒として読むのと教員として使うのとは自ずと違うなあ、と特に時事性や制度的な話題に事欠かない国際金融論などでは毎回思ってました。このテキストはその意味で、僕には使い勝手がよさげです。最新の理論・十書的なテーマがわかりやすく展望されているのもテキストベースではほかになかなかないのでは?
ちなみに今日から後期の講義開始。
コア・テキスト国際金融論 (ライブラリ経済学コア・テキスト&最先端)
- 作者: 藤井英次
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- 発売日: 2007/01/01
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