米沢嘉博『戦後SFマンガ史』

 先月、マンガ史三部作を図書館で借りてきて読んだばかりですが、この文庫版はいい! なぜかというと表紙イラストももちろんいいけども、単行本よりも寝ながら読めるし、そもそも図書館から借りた本には線も引けなければ付箋も付けられないし、単行本の二段組にくらべるとこちらの方がすっきりした書体とも相まって読みやすさ激増。最近、復刊された『光る風』への記述部分をいま拾い出して読んでみましたが、著者の若書きぽい硬質の文章もなんだか単行本だと読むのつら〜と思いましたが、文庫だと古典ぽくみえる 笑。

 これで個人的には最も楽しめた『戦後ギャグマンガ史』だけが未文庫化ですが、いまから登場が楽しみになります。

戦後SFマンガ史 (ちくま文庫)

戦後SFマンガ史 (ちくま文庫)

 『光る風』も連載しいてたときに少し読んだんだけども、やはり不条理な物語進行はいいとして、子ども心にちょっと物語が短絡的だなあ、と当時思ってしまいました。今回、大人になってどうかなあ、と思いましたが、やはり三つ子の魂なんとかで(この形容この場合使っていいのか知らんけどもw)、呉智英氏ほど当時もいまもこの作品はあまりいただけない、というのが率直な感想です。同じ年(1970年)に発表された作品では、石川球太の「巨人獣」、桑田の『デスハンター』、小室の『ワースト』の方が好きでしたね。こういう同時代になにが出たかがわかるともろも米沢氏の本のいいところですねw。

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