志村有弘『のたれ死にでもよいではないか』

 大泉黒石参照:Wikipediaのここ)についての評伝が冒頭にあったので興味をひかれて購入。由良君美についての四方田犬彦『先生とわたし』を読んでから、この大泉について興味を魅かれていた。

 由良の編集した『大泉黒石全集』も清水の舞台から飛び降りて(高さ12m,平均生存率5%程度)購入してしまっていた。この「貧困小説家」とでもいうべき人物は、もちろんその生涯の成果は貧ではなく多彩で一様な評価を許さない贅なところがある。全集とはいえ、第一期で事実上終わってしまっていて、未収録の著作も多い。

 この志村氏の著作は何人かの放浪の貧困小説家を選んで書いているが、大泉のところでは彼の遺族たちへのインタビューを活かした記述があり面白い。いつかこの大泉について何か書くことができれば僕も幸いだろう。


のたれ死にでもよいではないか [新典社新書]

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人間廃業 (大泉黒石全集)

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