祝!90万アクセス突破記念ヴァージョン:おまえがゾンビだ、の経済学


 しかしアルファブロガー系の人たちの一部は本当に清算主義的なゾンビ経済学がお好きですね。


 例えばまとめ的には「週刊 木村剛http://kimuratakeshi.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_26a0.htmlの発言でしょうか(そこに紹介されているいくつかのアルファブロガー系の人たちのブログなども同じ趣旨でしょう)。なおそこでとり上げられている深尾先生の論文については以下の諸ブログをお読みくださると理解が深まります。


http://d.hatena.ne.jp/svnseeds/20070325

http://d.hatena.ne.jp/koiti_yano/20070321/p1

http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20070426


 このアルファブロガー系の一部の人たちと、もともとの星、カバレロ、カシャップ諸先生たちとでは、後者がマクロ経済政策(財政、金融)による緩和効果に肯定的であることで立場を異にしているように思われます。確かにこのゾンビ経済学はまだ未決着な点を多く含みますが(ただし日本のアルファブロガー系の人たちのように極端に援用されてないのだけは確かそうです)、例えば主要な論点は今井亮一先生の以下のまとめにあります。

ゾンビ経済学
http://homepage3.nifty.com/ronten/zombie.htm


 最近ではシカゴ連銀のGadi Barlevy氏の一連の業績が注目されて、R&D創出には景気がいいほうがよく(反対に景気が悪いと創出効果が削減)、また景気変動による厚生の悪化もルーカスらがかって計測したよりも重大である、など清算主義には歩の悪い理論もいろいろでてきました。

Gadi Barlevy, 2004. "On the timing of innovation in stochastic Schumpeterian growth models," Working Paper Series WP-04-11, Federal Reserve Bank of Chicago
http://ideas.repec.org/p/fip/fedhwp/wp-04-11.html
など


 またこれはいままでの研究とは視点をいささか代えるもので、不況による非効率的企業の清算という日本のアルファブロガー系の人たちが力瘤をいれて肯定するものよりも、そこらへんはむしろ景気の良し悪しに関係なく定常的で、景気の悪いとき生産性の大きい企業の「創造的参入」がある、という研究もでてきました。


Are there cleansing effects of recessions? Entry and exit of manufacturing plants over the business cycle(Yoonsoo Lee Toshihiko Mukoyama)


http://www.voxeu.org/index.php?q=node/856


 まあ、僕も「おまえこそゾンビだ!」 (下のように)といわれないようにこれからもゾンビ経済学とゾンビ映画の最新動向には注目していきたいと思います 笑。

●90万アクセスご愛顧?記念すぺしゃる映像