手の内さらすようなものだけども(っていったいコミックやメディア研究者のうち何人がここ見てる? 笑)、いま関心のあるコミックネタはほぼふたつに絞られていて、ひとつはカートゥーン(cartoon)研究、特に労働者の風刺もの。これは戦前日本のものも対象にいま収集中(日本の方は北澤楽天などの描くサラリーマンものとか都市中間層の働く様子の風刺画にしぼろうかと思っている)。
これはいままでのサラリーマン研究の延長でもあるんだけれども、ブルーカラー層への関心とカートゥーン(cartoon)への関心が重なったということでは、いつかここでも紹介したPaul Buhleのカートゥーン(cartoon)研究の以下の本が非常に面白かったから。
Labor's Joke Book (Workers' Democracy Special Monograph)
- 作者: P. Buhle
- 出版社/メーカー: Charles H Kerr Pub Co
- 発売日: 1995/06/01
- メディア: ペーパーバック
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Paul Buhleが万国の労働者ならぬ、万国の絵描きに結集を求めて作成したコマ漫画本も物凄い迫力。こういう企画は絶対にいまの日本では不可能なだけにものめずらしい。言い換えると万国の労働者物はすでにサブカルの消費財としてしか日本では評価されないのかも‥‥しれない(僕だけですか、そうですか)。
Wobblies!: A Graphic History of the Industrial Workers of the World
- 作者: Paul Buhle,Nicole Schulman,Mike Alewitz,Sue Coe,Sabrina Jones
- 出版社/メーカー: Verso
- 発売日: 2005/04/17
- メディア: ペーパーバック
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もうひとつ関心があるのは例のワーサム研究だけども、これのまあアメコミ論争関連ネタはいろいろ進展あったんだけども内緒ということにしてw その進展の途中で出会った40〜50年代のコミック研究者の注目株はこの人Michelle Nolan。彼の書いた周到なクライム・コミックの分析がネットでも読める。
http://www.crimeboss.com/history01-1.html
そして彼の薀蓄を思いっきり傾けた研究書が出たばかり。速攻で注文したがまだ届いていない。マーベルからでてたロマンスもの集成はずっこけたが、問題はそこから「何を」読み取るかが勝負。なんとなく面白そうでしょ?
Love on the Racks: A History of American Romance Comics
- 作者: Michelle Nolan
- 出版社/メーカー: McFarland Publishing
- 発売日: 2008/04/09
- メディア: ハードカバー
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そして僕がこのブログでboxmanさんに教えてもらった新宗教研究者のイタリアの人Massimo Introvigneも洗脳、カルト、吸血鬼コミックなど多様なネタで面白い論考を連発中。ここらへんの研究をどう自己欺瞞論やコウェンらの「多様な私」論に結び付けるかを構想中で、誰かの未完のかわいい論よりも先に日の目をみるようにせこせこ準備中 笑
http://www.cesnur.org/2004/mi_mc.htm
http://slayageonline.com/essays/slayage7/Introvigne.htm
http://www.cesnur.org/2003/vil2003_introvigne.htm
Creative Destruction: How Globalization Is Changing the World's Cultures
- 作者: Tyler Cowen
- 出版社/メーカー: Princeton Univ Pr
- 発売日: 2004/03/01
- メディア: ペーパーバック
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