疑わしい「公開の場」


 『週刊東洋経済』から。武藤副総裁の総裁人事本格化。副総裁にも財界などを中心に両方とも日銀出身者の声があるとか。非常事態なのでということ(苦笑)。候補は白川方明氏、平野英治氏ら。東洋経済の記事は副総裁人事にかなり注目したものとなっている。


 ところで民主党が何もしないのはほぼ与件になりつつあるので、この下馬評通りになったとしたらどうなるのか? 現状維持が濃厚なのだが。副総裁が総裁に横滑りするということは実際にいって前首脳の政策スタンスを基本的に承継することではないだろうか?


 例えば「中川の眼」では

http://www.nakagawahidenao.jp/pc/modules/wordpress0/index.php?p=817
「そうした中で、次期日銀総裁の同意手続きで、総裁候補の所信を非公開の場ではなく公開の場で聴取する方向で与野党が調整していることは良いことだと思う。非公開の場での発言では、コミットメントにはならない。是非、政府との政策目標の共有、物価上昇率ゼロ%は物価の安定なのか等、所信をうかがいたいと思う。(2月9日記)」


 おそらく政府との政策目標との共有にいままでもこれからも齟齬はない、というだろうし(それ以外いったいどういうというのだろうか?)、物価上昇率ゼロ%についてはこれは日銀のイデオロギーそのものであるが、目の前の人参(総裁の椅子その他)からいってもせいぜい「検討する」といって、あとはスルーの可能性が大きいのではないだろうか?(それでもそこまでいえば政治的にポイント獲得という見方もあるのか?) 実際におよそ目にする日銀人事関係からは事実上、既定路線を驀進し、さらに今回の記事のように危機バネですべて副総裁を日銀出身にしてしまうという日銀側のかってない 笑 勢いしか感じられず、この新体制が実現したとしていったい何を期待していいのかまったくわからない。まあ、人事で勝負ではなく、例えば日銀法の改革などで政治が勝負するというのを日本がへたれていくのを横目に気長に待つというのもお子様レベルの話ではわかるが、日本の政治が人事で勝負しないでどうなるのだろうか?