これは力作。8月下旬からの取材でよくこれだけ多様な観点をまとめたなあ、とその職人さん的本作りに感銘。boxman(小田切博)さんのアメリカでの規制に関する「通念」への批判、中野晴行さんの日本のアニメなどの輸出への厳しい評価(JETROの数字みたら売れてるのDVDだけ)、現役官僚の学者や経産省の発想のいかにもへたれ産業政策的発想、筆谷芳行氏のおたくの偏狭性の指摘、自主規制が規制スパイラルを起こす構造と可能性の指摘(102頁)、東京都の規制のバランス感覚、斉藤環氏と伊藤剛さんが青少年悪影響論や犯罪誘発論の根に「私ではない愚かな誰か」観があることを指摘していること、伊藤さんの「菊の葉」のたとえ、上野千鶴子氏の市民社会による市場の監視論、などが面白かった。
- 作者: 永山薫,昼間たかし
- 出版社/メーカー: マイクロマガジン社
- 発売日: 2007/12/21
- メディア: 単行本
- 購入: 10人 クリック: 284回
- この商品を含むブログ (41件) を見る