http://www.boj.or.jp/type/release/teiki/gp/gp0705.htm
「消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、既往の原油価格反落の影響などからゼロ%近傍で推移している」。マイナスなのにゼロ近傍という表現。これは興味深い。
他方で「個人消費は底堅く推移している」と、個人消費はなぜか「底堅く」であり「ゼロ近傍」ではない(笑)*1。
おまけでいうと、「より長い目でみると、マクロ的な需給ギャップが需要超過方向で推移していく中、プラス基調を続けていく」の「長い目」はいったいいつからなのか、また「プラス基調」とはどのくらいなのか、全然わからないが、とりあえず僕が補えば(苦^^)、ブレイク・イーブン・インフレ率から察するに0.5%近傍を「プラス基調」と考えているのかもしれない。
整理すると、日銀のレトリックでは
マイナス0.3%になっても「ゼロ近傍」
0.1%は「底堅く」*2
0.5%は「プラス基調」
という実に細やかな配慮が感じられます*3。ああ、すばらしきかな日銀文学
*1:家計調査ではなくGDP速報値を使えですか、そうですか。参考http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/qe071/pointj.pdf なおマジレスすると確か家計調査の方が低めにでるんじゃなかったかと思います。このエントリーは日銀のレトリックにあわせて個人消費の「底」を見る上でこちらの数字を使いました
*2:0.9%の方を使えですか、そうですか
*3:速報値の方を使うとマイナス0.3%〜0.9%の幅の中で、「ゼロ近傍」→「プラス基調」→「底堅く」が使われるのですね。こちらでも細やかな配慮では大差ないですがw。しかしこのエントリーは「経済」カテゴリーでないのはもちろん「話題」でもなく、ソースに合わせると「ネタ」みたいなものですね