ヒストリー・オブ・バイオレンス&ホリディ


 クローネンバーグの作品を見るのは10年ぶりぐらいで『裸のランチ』を劇場で見て以来である。『裸のランチ』がどうも個人的に気乗りしない出来だったのが原因で、その後の彼の作品からは疎遠になってしまった。『クラッシュ』も見ていない。今回の作品は原作がアメコミであることが今の僕の関心を引いたので見てみた。この作品は絶妙の間をとった傑作といえる作品ではないか、と思う。個人的に完全にクローネンバーグへの関心が復活した。手近い資料(『クローネンバーグ オン クローネンバーグ』)を購入してみたが、初期の作品などが大量にあることを知って興味をもつ。僕がクローネンバーグを認知したのは、『スキャナーズ』『ヴィデオドローム』からで商業系にかなりしっかり乗り出してからの作品からで、この二作と『デッドゾーン』『ザ・フライ』『戦慄の絆』までは見ている。初期作品の方にトライして気がのったら『クラッシュ』や最近の作品も見てみたい。『ヒストリー・オブ・バイオレンス』はアメコミ原作よりも映画が評価が高そうなんだか、まだ原作は読んでいない。そのうち手にするとは思うけれども…。

ヒストリー・オブ・バイオレンス [DVD]

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 いずれにせよ、上記の著作や最新のクローネンバーグのインタビュー本も含めて少しお勉強したい対象だと思ったのである。

 近所のシネコンでみた映画としては、『ホリディ』がおススメ。このナンシー・メイヤーズ監督の前作である『恋愛適齢期』も佳作といえるものだが、設定は似ていて上流層と中流層上位の交流、年齢もしくは空間の隔たりでの交流 という要素を共有していて、今作は働く女性の自分喪失・自分発見というチック・リット系*1ののりも交えている、これまた佳作である。映像の作りこみがなんか日本の映画のように部屋の奥行きを意識した目線を感じるところもあり劇場でみたほうがこの映画はいいかもしれない(DVDだと気がつくかどうか微妙)。なお男ひとりで日中にみていたのは僕ひとりなわけだが 笑

Holiday (Score)

*1:僕は最近、韓流ネタの次にチック・リット系の「お勉強」をしているwただひとりの経済学者を自称中である