なぜ満州大油田は開発されなかったか?


 まるで『ジパング』のネタそのものです 笑)。マンガの方では大油田の存在は確認され、すでに各国の諜報が知り、あやしげな財閥が全員集合状態で、そのまんまマリアナ大海戦に突入しているのでこのままだと簡単なエピローグ扱いになればいい、程度になっておりますが。


 月曜に発売予定の『週刊東洋経済』の原田泰さんの論説は、満州国の“成功”神話に反論した内容で、その一例として満州大油田(現在の大慶油田)がなぜ当時発見されなかったのか? という問題を提起していて非常に面白いものです。簡単にいうと『ジパング』ではないですが、どうも油田の存在は日本側は気がついていたが、それをなぜか日本の商工省が認可しなかったこと、さらに深く掘る必要があったもののその技術を公式にはもっていた海外企業(日本企業も技術保有していた可能性はあり)に軍事上の機密を優先してこれまた秘密のままにしたのではないか? という原田説は実に興味深いものがあります。また情報を開示しても海外資本の自由な投資が制限されていたのが満州国の“成功”神話の由来ですが(反語)。


 ネットで検索すると『ジパング』かSF小説ネタがほとんどで、しかもSFネタがかなりうまくできているので誤った情報をゲットしてしまいそうですが 笑。

(補)いまふと思ったが、もしこの大慶油田未発見が統制経済の限界を示すエピソードだとしたら50年代に中国が発見・開発したというのこの論説への突っ込み材料になってしまうかな? それでも満州経営の限界を示すだけでは有効な素材ではあるのか。