ノーベル経済学賞とってない「大物」リスト


 というわけエドモンド・フェルプスが受賞したおかげで、いままで「もうオレだめだ、欝だ氏のう」とあきらめていた大御所たちが一気に受賞可能になったように思います。小田中さんがブログで書かれていますが、フリードマンフェルプスの自然失業率仮説の違いなんか誰にも(物好きな経済学説史家以外)わかるわけありません。というわけで過去に受賞者がいて、同種の研究業績で名声を確立したものの不幸?にも受賞できなかった人たちが一気に息を吹き返したのではないでしょうか? ただし物凄い記念論文集を出して数年以内ですが(Edward elgarの著作集ではだめです、たぶん)。


 というわけでマーク・ブローグの『ケインズ以後の100大経済学者』(同文館)をネタに、まだノーベル賞をとってない大物を抜き出してみましょう。不遜なことですが、もしすでに逝ってる人いらしたら教えてください。

ケインズ以後の100大経済学者―ノーベル賞に輝く人々

ケインズ以後の100大経済学者―ノーベル賞に輝く人々


イルマ・エーデルマン
ジョー・S・ベイン
ウィリアム・J・ボーモル
アブラム・バーグソン
サミュエル・ボールズ
ホリス・チェネリー
ロバート・クラウアー
ハロルド・デムセッツ
エドワード・デニソン
ロバート・ドーフマン
マーチン・フェルドシュタイン
ゴットフリード・ハーバラー
フランク・ハーン
アルバート・ハーシュマン
ウォルター・アイサード
デール・ジョルゲンソン
ヤーノッシュ・コルナイ
アクセル・レイヨンフーヴッド
リチャード・リプシー
イアン・リトル
エドモン・マランヴォー
デアドラ・マクロスキー
ジェイコブ・ミンサー
リチャード・マスグレイブ
ルイジ・パシネッテイ
ドン・パティンキン
リチャード・ポズナー
ウォルト・ロストウ
トーマス・サージェント
ティボール・シトフスキー
ロバート・トリフィン
ゴードン・タロック
ヤロスラフ・ヴァネック

一応、上記の翻訳がでた12年前で存命中の人を選んだわけですが(森嶋やキンドルバーガーら物故が判明している人たちは抜きました)、明らかにご存命か?の人もおりますが、それは後で調べて削除していきます。(追記)かなり修正しました。山形さんとこの「経済思想の歴史」にリンクさせました。


とりあえずの感想は「多いな、すごい人」というものです。コルナイ、ハーシュマン、マランボーなんかを私は前のエントリーであげましたが、これをみるかぎりだとあと10名はとれそうな人がいますね。宇沢先生や根岸先生も当然ランクインでしょうし、いわゆる「異端ぽい」人だともっと名前あがりますね。


 それにしても(まだご存命という条件で)ベイン、ボーモル、バーグソン、マスグレイブ、ロストウ、チェネリーなどそれぞれの教科書には絶対外せない定理やら命題やら手法やらを生み出した人物が受賞してないとは。唖然というか「ノーベル経済学賞」の選考基準やっぱおかしすぎ。


(追記)

アバ・ラーナーがウッディ・アレンにしか見えない件について