なんか倒錯したシナリオ(円高協調で追加利上げ封印??)、「総合」じゃない総合判断など


 またまた久しぶりに昨日は群馬に行ってきました。で、郵便物の整理で『日経公社債情報』の蔵出し。9月4日号の「日銀ウオッチ」の「円高協調で追加利上げ封印」をペラペラと。これは安倍政権の目的は憲法改正が中心なので近隣諸国に緊張が走るので、それとのバーターで経済外交は軟調シフト。その象徴が円高への為替協調というわけです。年末にかけて円が過小評価されているというシグナルを政府は出すだろう、という見込み。この記事を書いた白馬さんによるとこの円高協調戦略は日銀の追加利上げ抑制効果を狙っているという。円高シフトを公言すると市場のインフレ期待が縮小する、ふたたびゼロ近傍に現実のインフレ率も向かう、すると日銀は追加利上げとれなくなる、というシナリオだそうです。要するに政治は次期参院選に勝利するために日銀に利上げなんかさせる自由度を認めたくないので、政治的なパスを動員してそういうのつぶしにかかる、ということなんだと思います。でもこれって本当に次期政権が考えてるとしたら、円高協調戦略へのコミットが効きすぎると、日銀の政策姿勢を一定としてもデフレ期待が定着したらまずいんですが。まあ、あんまりこの種の倒錯したシナリオが本当に政権が採用しないことを祈りたいと思います。


 9月11日号には日銀ウォッチ「CPIショック、どう感じた」(武術家さん)がありまして、今般のCPI改定ショック(長期金利の急激な低下)を日銀がどうとらえるか、ということが論点です。要するにCPIを重視しない総合的判断により傾斜していき、需給ギャップや設備投資の過熱(裏面での賃金インフレ)、あるいは武術家さんは書いてませんが、資産インフレ警戒などCPI以外wのいろんな理由で判断し、それも政策目的が利上げなのですべてそれに辻褄を合わせていくだろう、という読みです。次回展望レポート前の一大攻防戦がキーというか政治的な空白ともいえる今の次期のどさくさの日銀発言が要注意なわけです。