小泉外交政策は石橋湛山的小国主義である

 というわけで今日は某所で宴会にいったら菊池信輝さんにはじめてお会いしました。『財界とは何か』はこの分野ではただひとつ読むに値するなにかと注目すべき経済同友会ネタなどが批判的に検証されております。非常に野心的な研究者で知り合いになれてうれしかったですね。お話を伺うと、小泉政権外交問題を扱う論説を準備中ということで、ちょびっとその内容を簡単に聞きましたがこれは面白そうです。

財界とは何か

財界とは何か

 実は僕も小泉政権外交政策について簡単にmixiのほうでつぶやいたことがあるんですが。小泉外交は近隣諸国へ対抗的ナショナリズムをもっているかのように誤解されてるけれども、実は石橋湛山の「小国主義」の伝統をもっとも受け継いでいるのがこの政権の外交政策ではないか、と僕はつぶやいていたのです。もちろん敗戦後すぐに靖国神社廃止をといた湛山と、そこへの執着をみせる小泉首相とは異なるものというのが一般的ですが、それでも僕はその差異は大きな問題ではなく、小泉外交が湛山の外交の流れ(国内経済中心主義、汎アジア主義への諌め、欧米主軸外交などもふくめた小国主義)をひくただひとつの政治的流れにいまやなってしまっていると思うのです。たぶん構造改革もいまのリフレよりスタンスもすべて「なしくずしのレジーム転換」なので意図しているよりもこれもまた状況がつくりだした「なしくずしの小国主義」なのだと思いますが、それでも実践的には希少価値をもつことは否めません。これは僕自身にとっても意外な「発見」でした。

いいかたをかえると、高橋哲哉氏の『靖国神社』のように湛山の靖国神社廃止論をとりだして、それで小泉外交そのものを批判するのは間違っていると私は思うのです。むしろ高橋氏らの主張こそ汎アジア主義に淫する伝統の担い手だと私は思っています。