エードリアン・トミーネ『SLEEPWALK』


 梶ピエールさんがカリフォルニアの書店で見つけて教えてくれた『オプティック・ナーヴ(視覚神経)』シリーズの最初の単行本の邦訳。アマゾンでは入手できなかったのでhttp://www.presspop.com/shop/adrian_tomine/at_001.htmlで直接購入。


 ITOKさんによると辰巳ヨシヒロの影響をトミーネは受けているとのことだけれどもこの作品をみたかぎりではよくわからない。いくつか関係資料もあるのであとでちょっとみてみるかな。


 作品の感想としてはイラストやこの本の表紙からうける印象を大きく裏切る。簡単にいうと「性格の悪い人間、或いはささいな悪意の日常図鑑」とでもいうべきもの。こういうととりとめがないのだが、ほぼすべてのストーリでカタルシスとは無縁な、むしろトミーネの絵が描写している人物のニキビ、吹き出物を淡々とみせられている感じ。こう書くと本当になんなんだあ、という感じだが、僕はそんなに嫌いじゃない。もしこの作品集の中で唯一つ「救い」(僕はなくてもよかったが正直ほっとした 笑)があるエピソードは、SIX DAY COLD。風邪をこじらせた男とそれを看病する女の話。このエピソードも含めて全編を寂寥感が漂う。下の画像は本邦訳に収録されてるカップル覗きもの? ECHO AVENUEのもの。


Echo Avenue