イングロリアス・バスターズ

 映画を意識的にみてきてすでに40年近く、初めて100人規模の劇場で、しかもロードショー直後なのに、観客ひとり! というのを経験した 笑。

 正直いってこんなに静かな広い暗闇にポツンとひとりというのは怖いw 映画本体のスリルも倍増かな? いままでも2、3人というのがあったが、しかしすごいなあ。この映画の入りが心配になってきた。そういえば、ニュースで今日読んだけど、同じタランティ―ノの『グラインドハウス』はこの10年間で最もこけた映画ベスト9位に入っていた。

 http://jp.reuters.com/article/entertainmentNews/idJPJAPAN-11145220090824

 上のロイターの報道をみると、タランティ―ノの映画では最もヒットしているそうだけど。日本でもまあ僕が見た場所と時間帯にかなり依存しているのかもしれないわけで、他ではメガヒットしているかもしれない。知らんけど 笑

 映画自体は、最近、中年の大学教授を幻惑する(w 大学生を演じていた『PARIS』のメラニー・ロランとブラット・ピット、それに「ナチ・ハンター」」のクリストル・ヴァルツの三者が好演していて面白かった。しかし一人の映画館って怖いなあw

 あ、『ユリイカ』はこの映画の特集か。

おめでとう神戸大学!

 おめでとう神戸大学! これで日本銀行に睨まれることをしないこと(必要条件)+リフレ派が騒ぐから日本銀行の政策効果がなくなると教科書に書く(十分条件)で、東京大学を差し置いても日本銀行に新天地を切り開けることができます! 爆笑

 いや、正直いってこれがいまの日本の「ふつう」の経済学者の感想でしょう。下のリンク先にもその証拠となる風景が描かれていると思います。

 「悲しいけど、これ現実なのよね」(スレッガー中尉

 実は別に金子洋一さんが賛成してても僕は咎めるつもりはまったくないのです。所詮、審議委員の選出にしかすぎず、日本銀行総裁と似たことをいう人がひとり増えただけで(確かに事実上、日本国民が彼の給料と権威を支払うのですから、総裁と同じことをいう人をなぜわざわざ増やすのかムダ遣いという気もしますが)、何の変化も起こるわけではないからです。ここで貴重な政治資源を浪費することもないでしょう。

 むしろ内心では渋々賛成するであろう民主党の脱デフレ派の人たちにはもっと大きな枠組みでの政策を陰に陽にと支援してほしいと期待しています。まあ、そうはいっても民主党が本気で景気対策として日本銀行と交渉するならば、マクロ政策寄りの審議委員を推薦するはずですが(=政策的には素人がみても稚拙か、あるいは景気対策は政府はポーズだけか、あるいは? などといろいろ疑念が浮かびますがそれはさておきます)。

 まあ、ここまでは今日は別に書かなくてもいいからスル―するはずだったのですがw、この宮尾ネタをわざわざ「ネタ」エントリーでふれたのは、松尾匡さんのブログをみてつられたからですw 

 http://matsuo-tadasu.ptu.jp/

 うまくなりましたねえ、釣りがw 山形浩生さんに鍛えられたおかげですか? 

 ところでこれだけだとあまりになんですので、浜田宏一先生が「平成デフレをめぐる政策論議」で以下のようなことを書いています。

「略 経済変動の原因はあくまでも実体経済の側にあり、日本銀行の金融政策はその実体経済の変動に対して受動的に行われたものであり、したがって経済変動の原因ではなく結果にしかすぎないという見方となりうる。つまり、どんな厳しい不況になっても、日銀には責任はないという保身のイデオロギーに転化してしまう可能性っをはらむのである」(『経済政策形成の研究』所収242頁)。

 ところで、松尾さんは以下のように書いている。

まあ衆議院もこの調子でいくのでしょうね。この上は、不況下の庶民の惨状をわかっているであろう宮尾を苦しめないために、日銀には就任前の年度内の間に大胆な決断を願いたい。(09年11月30日)

 でも宮尾氏の主張はまさに日銀流理論そのものだから、それを前提にすると、たとえ宮尾氏が不況下の庶民の惨状をわかっていてもなんで(日銀が大胆な決断を行わないと)「苦しむ」ことになるんだろうか? むしろ宮尾氏が不況下の庶民の惨状に同情していたとしても、それは実体経済の結果であり、少なくとも彼のこれからの職務とは無縁と考えるに違いないとしたほうが首尾一貫しているだろう。松尾さんも自分の本で批判した身内原理丸出しはそろそろ釣りとしてもやめたほうがいいよ、本当に。

 それといまの日銀はドバイショックとかを理由に、何か政府と協調ぽいことをするかもしれないけど、それは景気対策としてではなく、あくまでも金融システム不安のフォワードルッキングな(笑)対応でしかない、ということを忘れるべきではない。日銀流保身理論の根はおそらく日本国民の大多数を貧困状態に叩き落としても平然しているものだろう。それぐらいのレベルだと思った方がいい。こう書くと悲観的だが、かえって旗幟鮮明にしてくれたほうがこの中央銀行の事実上の解体論にむけての問題意識としてはちょうどいいと納得している。

英エコノミスト誌「日本のデフレ:敗北主義の呪い」

http://www.economist.com/opinion/displaystory.cfm?story_id=14966237

 日本の問題は財政赤字ではなく、デフレーションである。政府はデフレ宣言をしているが、政府と日本銀行はまともにこの問題と取り組んでいない。という趣旨の厳しい日本政府・日本銀行の政策批判の論文である。デフレはスパイラル化してはいないが、デフレは問題である。日本銀行はこれから数年デフレであると認識している。デフレは家計や企業の活動を圧迫し、財政赤字を増やし(税収減など)、実質金利を高めることで経済活動を抑制する。

 ここ最近は日本の輸出部門の健闘でそこそこ景気が回復してきたが、それも円高の進行で限界がみえてきている。日本銀行と政府の協調が必要とされている。特に日本銀行は事実上何もしないで回復を待つという「敗北主義」を採用している。こえは放棄すべきだ。日本銀行は政府の国債を購入し、インフレ目標をたて、名目GDP成長率をターゲットにしたり、あるいはマイナス金利政策も採用できるではないか。日本経済をリフレ―ト(リフレ)すべきだ。

 もちろんそれで円は弱くなるが、それがどうしたというのか。むしろ円が強いままでは日本経済は復活しない。

 鳩山政権も日本銀行と協調する一方で、財政政策を効果的に使い、そして早くデフレを解消して1.5%−2%の成長率経路に回帰し、より長期の政策(貿易の自由化、労働市場改革など)に取り組むべきだ。ともかくデフレを克服するビックバンが必要だ。

 ようやく英エコノミスト誌がまともに回帰。まさに正論であろう。