ヤマザキマリ『テルマエ・ロマエ』、フェリペ・スミス『MBQ』第二巻、最近読んだマンガ

ヤマザキマリの『テルマエ・ロマエ』。これは面白い。古代ローマの建築家がなぜか風呂だけに限定して現代に日本にタイムスリップ。日本人(平たい顔族)の最先端風呂技術(露天風呂、家風呂、銭湯など)を古代ローマで再現するお話。これは久しぶりにおかしみというものを味わった。超おススメ。

テルマエ・ロマエ I (BEAM COMIX)

テルマエ・ロマエ I (BEAM COMIX)

 ついでなので最近読んだいくつかのマンガの感想だらだらと

川原和子さんのNTT連載でとりあげられている『海月姫』は好きな作品。しかし川原さんの今回の書きっぷりは妙に熱いw。東村アキコの『ママはテンパリスト』は育児をしていると誰でも経験する話を活写している。しかし子どもでもかなり個人差があるんだな、と思う。ただ育児経験のある人でも評価がわかれるかもしれない。僕は面白かった。あと『ひまわりっ』は実はあまり相に合わず第4巻で挫折。そのうちマンガ喫茶でまとめ読むつもり。同じ作者の作品でも好き嫌いの差がでるのは面白い現象。

海月姫(3) (KC KISS)

海月姫(3) (KC KISS)

『紅い部屋―上村一夫晩年傑作短編集1980-1985』。これはいい作品集・初期作品集はどうするか。お財布の中身と相談w。上村一夫は連載されていた頃の『ゆーとぴあ』が面白く毎回楽しみにしていた。最近、『Comic Journal』で『同棲時代』の作品紹介をしているのを読んで大人買い。『修羅雪姫』ももちろん好き。

紅い部屋―上村一夫晩年傑作短編集1980ー1985

紅い部屋―上村一夫晩年傑作短編集1980ー1985

『犬と歩く』、これは谷口ジローの選集第1巻。表題作はいうまでもないが、ほかの短編群も素晴らしい。第2巻の『ブランか』は他に何も付加してなさうなので考慮中。ちなみに『センセイの鞄』は名作だと思う。『晴れゆく空』を集英社文庫版で。これは谷口ジローマニアは必読。なぜなら最後にかなり長めの谷口氏の今年の夏のフランス滞在記が収録されているから。BD作家たちとの交友、彼の原作『遥かな町へ』の映画化の状況など、谷口氏の現在の活動を活写している。実はいま谷口ジロー論を準備中でそのうち某サイトに掲載予定。お楽しみに。ただフランスで最新作のBDが出ているのでそれを読まなくてはいけない。早く届かないかな。ちなみに『晴れゆく空』は昨年、イタリアのロミックスミックス部門グランプリ作。谷口ジローは日本よりもヨーロッパでの評価の方がはるかに高い。日本の読者はなんでかマイナーな勢力になっている印象。

晴れゆく空 (集英社文庫―コミック版) (集英社文庫 た 66-6)

晴れゆく空 (集英社文庫―コミック版) (集英社文庫 た 66-6)

西田東『願い叶えたまえ』、西田作品初経験。三浦しをん『シュミじゃないんだ』(新書館)やよしながふみの対談集『あのひととここだけのおしゃべり』(これは深い思索にみちた対談。とくに三浦しをんとの対談が秀逸)や、川原さんの『人生の大切なことは、おおむねマンガがおしえてくれた』(NTT出版)で絶賛されていたので読んでみた。不思議とエロさは感じない。BL作品初?経験作であるよしながふみ『ジェラ―ルとジャック』にはエロチックなものをすごく感じ、この作品は秀逸だった。全般的によしながふみの作品とは相性がいいかもしれない。『大奥』、『フラワーオブライフ』、『西洋骨董洋菓子店』や『愛すべき娘たち』も大変に気に入って何度か読み返した。西田作品についてはもう少しいくつか代表作といわれるものを読んでみるつもり。

よしながふみ対談集 あのひととここだけのおしゃべり

よしながふみ対談集 あのひととここだけのおしゃべり

 そのよしながふみの最新単行本『きのう何食べた?』第三巻。う〜ん、だんだんつらくなってきたが、それでも「家事」の意味の逆転として読み変えることができないかな? わからんけどw

 先週のBD研究会で小野耕世小論を報告したときに、旧作だけど比嘉慂の『カジムヌガタイー風が語る沖縄戦』を古書で購入。これはいくつかは雑誌掲載時に読んだ。僕はわりと好きな作品。この比嘉慂の近作の『美童物語』はそのうち読んでみたい。

カジムヌガタイ-風が語る沖縄戦 (モーニング KC)

カジムヌガタイ-風が語る沖縄戦 (モーニング KC)

 沙村宏明の短編集『シスタージェネレーター』。ここ数年読んだうちの最悪の作品のひとつであった『ブラッドハーレーの馬車』の作者だったよなあ、と思いながらも、その印象が正しいか間違っているか再度確認したく読んだ。これは悪くない。ふつうの娯楽作品。

シスタージェネレーター 沙村広明短編集 (アフタヌーンKC)

シスタージェネレーター 沙村広明短編集 (アフタヌーンKC)

 『よつばと!』第9巻。最近この人の書いたマンガ(『あずまんが大王』もねw)を遅くなりましたが読みました 笑)。僕は結構好きな作品なんだけどなぜか周囲では評価が割れてます。よつばが意外と表情に乏しいというのがその理由。確かに一種の様式美というか定型化された表情と物語の構成ではあるなあ。そうそう、ふと思いついたけど、ジェームズ・クラベルの『23分間の奇跡』の読後感と似ているのかも。制御された読後感というのかな。

よつばと!  9 (電撃コミックス)

よつばと! 9 (電撃コミックス)

23分間の奇跡 (集英社文庫)

23分間の奇跡 (集英社文庫)

 そうそう制御された読後感といえば、かきふらいの『けいおん!』の第一巻だけ読んでこれは挫折。制御されすぎてるというのかな。これもいつか再チャレンジ。

けいおん! (1) (まんがタイムKRコミックス)

けいおん! (1) (まんがタイムKRコミックス)

 川原さんに個人的にすすめてもらった(というか上の作品のいくつかは川原さん、ITOKさんたちのアドバイス、そして僕本来の趣味に由来しているわけだがw)『君に届け』も既刊はすべて読んだ。サダコ可愛いな。ああいう子はクラスにいたけどいまだったらどんな風に接するだろうか? それを思い出すだけで面白い。

君に届け 9 (マーガレットコミックス)

君に届け 9 (マーガレットコミックス)

 しかし本当にここ一月、マンガ読んだなあ。だいたいは対宇野常寛用に読んだんだけどw どんだけひとつの座談会に投資してるんだかw

 さてまだまだここ一月の間は読んでて、西島大介も雑誌連載をちびりちびり読んでてあまり大した認識をしてなかった。それではダメ、といわれたのか必要にせまられたのかまとめ読み。最新作のひとつ『 魔法なんて信じない。でも君は信じる。』も読んだけど、う〜ん、面白くないというわけではないが、わざわざひとつのエッセイマンガにするほどなのかな、と思ったのが本音。それにしてもマンガ家がやはり単行本で帳尻を合わせてるということが印税予測から判断できたかな。西島作品は『試作品解題』、ベトナム戦争もの、凸村(あれ凹か?w)、『アトムちゃん』も読んだが、いずれも面白いといえばいえるが……それほどなのか?という印象。むしろ『試作品解題』が一番いいかな。

魔法なんて信じない。でも君は信じる。 (本人本)

魔法なんて信じない。でも君は信じる。 (本人本)

 丸尾末広『芋虫』、う〜ん、失敗作でしょ。秋山はるオクターヴ』第三巻。第1巻が素晴らしく、第二巻で失速し、第三巻でやや立て直す。しかしこの作品はかなり好きだな。コンビニ本福本伸行カイジ』再編集本(高層綱渡り編)を立ち読みして興奮w 面白い。こっちの方が決断主義じゃないかな 笑。羽海野チカ『三月のライオン』も食わずぐらいだったが既刊全部面白い。

 ヤマシタトモコの『Love,Hate,Love.』。こういう物語は40代後半の大学教授(男)は読んではいけませんw 釣りですw。他に河内遥の同時四作(『ケーキを買いに』、『ラブメイク』、『へび苺の缶詰』、『チルヒ 河内遥時代短編集』)も読む。とりたてて何も思わなんだ。

Love,Hate,Love. (Feelコミックス)

Love,Hate,Love. (Feelコミックス)

 まだまだ読んでるけど疲れてきたのでw フェリペ・スミスの『MBQ』。これはいま『小説現代』のサブカルコーナーで紹介されてる椎名ゆかりさんがエージェントをつとめているスミス氏の翻訳物。ただし単行本で続きがでないでデジタルコミックで続刊が出た。偶然に見つけたんだけど。僕はyahoo!で読んだけど、他にも読める媒体あるみたい。スミス氏のマンガはエロと暴力が大胆な構図の中でぶちきれている感じ。僕は好きだな。特にこの『MBQ』の第二巻の後半の格闘シーンは見もの。

 http://comics.yahoo.co.jp/10days/huxeripe01/emubihhk01/list/list_0001.html

岩田規久男「日銀は国債直接引き受けを」in『朝日新聞』

 今日の朝刊、オピニオン欄に岩田先生が登場です。

1 デフレが経済停滞をもたらすという理解がみられない

2 日本銀行はデフレ脱却が定着する前の06年3月に量的緩和を止めた

3 日本経済は事実上、98年半ばから11年間もデフレが継続している。デフレの下では賃金が伸びない。資産価格も低迷する。民間の内需も低迷する。政府支出と輸出のどちからが大幅に増えないと成長は期待できない。

4 民間需要を喚起し、デフレを克服する主役は金融政策である。日本銀行がこの点で間違っている認識が不足している。

5 白川方明日本銀行総裁は、「需要自体が不足しているときには、流動性を供給するだけでは物価は上昇しない」と発言し、デフレ対策としての金融政策の役割を否定している。

6 しかし世界の中央銀行では2〜3%のインフレ目標が標準。今後三年もデフレが継続するという日本銀行とは大違いである。

7 すでに日銀は06年3月の自身が定めた「物価安定」(審議委員の理解が前年比0〜2%)というものすらも放棄している。「デフレでも成長する」「物価下落は金融政策ではとめられない」という中央銀行の役割を放棄している。

8 この世界的にも特殊な考えを「日銀流理論」という。これは「日銀は何もできない理論」というに等しい。

9 ゼロ金利でも日本銀行は満期が長めのCPや1年超の国債社債を買いオペの対象にすることで、日銀当座預金を銀行に供給できる。

10 さらに日銀がデフレ誘導政策を放棄し、2^3%のインフレ目標を設定し義務付ける改革が必要。日本銀行法の改正

11 しかし法改正には時間がかかるので、昭和恐慌期の高橋是清をならい、日銀による国債の直接引き受けを実施すべき

12 財政法第5条では特別の自由あれば国会の議決で11を行える。政府はこの非常事態にまさに国会で議決して国債の日銀引き受けをすべき。そのときに無制限の引き受けを防ぐために、インフレ率の2〜3%の明確な上限を設定すべきである。

なお横では池尾和人氏が事実上の清算主義を織り交ぜた主張を展開している。池尾氏の成長戦略の基礎をなす彼の考えについては、シノドスメールマガジン「ダメな経済学」の中でも触れた。基本的には『エコノミストミシュラン」や『構造改革論の誤解』での批判もいまだにあてはまる。また池尾氏の論説よりも、日本銀行のホームページでの総裁の問答を読んだ方が便利だろう。