大学の近くに群馬県立近代美術館があるのを26年近く経て、ようやく気が付く(爆)。
というわけでここ最近、続けて鑑賞しに行った。薔薇図譜展は正直、単調でつまらなかったが、常設展はピカソの「ゲルニカ」のタペストリーを中心に、特に日本画の数々で魅せるものになっている。
「ゲルニカ」を制作する途上のいくつかの習作の数々がとても興味深く、ピカソの絵画の制作過程が伝わってくるようだった。
日本画はともかく充実していて、気に入ったものを列挙すると、南城一夫「仔山羊のくる部屋」がまずご当地の群馬出身ということもあって展示物の中では人気の一作だろう。
野見山暁治の「どこからの来たの」は新規の収蔵品ということだが、一目で他の作品とは違う何かを感じさせる良品。なんといっても練馬区に縁も深く、群馬にも縁が深いというダブルで個人的には興味を抱いてます。
熊井恭子の「AIR CUBE」「Reborn(再生)」もやはり印象に残る作品。特に前者の細長い繊維のような鉄線で構築された大きなキューブ状のオブジェは好きだな。
院展ゆかりの画家たち、というコーナーでは、前田青邨の「晩秋」を中心に、巨匠たちの作品が並んで、ただならぬレベルの高い空間を構築している。
個人的にはこれまたご当地群馬の画家である高橋常雄の「化現」「宇」が好きかな。平山郁夫「オアシス(アフガニスタン)」も。
オノサトトシノブ生誕110年の展示も見ごたえのあるもので、特に大きめの画は錯視効果が全開で没入感をもたらす傑作だと思う。あまりオノサトトシノブの作品には興味がなかったが、初期の作品ではなく、後期の大きい作品ほど魅力的なことに気が付く。
「雷」や「衝撃波の円ピンク」など。
個人的には現代美術の方が好きなことが最近わかってきて、これもあいちトリエンナーレのおかげかもしれない(苦笑)。
展示空間に入ってまず印象深いのが、李禹煥「風より」だ。その迫力は尋常ではない。李禹煥の大規模回顧展をいまやってるのでできるだけ会期中に見に行きたいものである。他には草間彌生の「レペティティブ・ヴィジョンーファルス・ボート」がやはり異様な魅力を湛えている。
また企画が変わったら来てみたい。