「復活する福田徳三の経済思想ー『福田徳三著作集」刊行に寄せて」「福田徳三と現代経済学」を報告(経済学史学会全国大会)

「復活する福田徳三の経済思想ー『福田徳三著作集」刊行に寄せて」で、「福田徳三と現代経済学」を報告しました。

 

 今日報告したパワポは後日ここに掲載するかもです。報告要旨は以下にあります。パワポの方はそれを踏まえて新ネタを加味したものです。全体的に福田徳三の厚生の経済学が市場を設計するというアイディアに支えられているというのが基本的観点です。この基本的観点は2000年に書いた論文で明らかにしたものですが、20年近く経過して再説です。

http://jshet.net/docs/conference/82nd/tokuda.pdf

 

経済学史学会は伝統があり、また「多面的知識を有する最後の人たち」(by H.Trautwein)の集まりであり、そしてなによりも寛容なところがいい。いろんな考えの人が混在しているがまったりしているのが特徴。ぜひ若い研究者も多く入ってほしい。関連分野の人に特に。


http://www.jshet.net

 

また本日は、セッション内での報告はもちろんですが、川俣雅弘さんの「限界革命再考」そして代表幹事の小峯敦さんの「経済学史研究の現状と未来」を聴きました。どちらも勉強になります。特に川俣報告では、過去の経済学者たちの合理的な再構成、そしてジェボンズについて関心を深めました。また小峯さんの代表幹事講演は、小峯さんの学的歩みとライフワーク、そして現在の取り組み(テキストマイニング分析)などを解説し、経済学史研究の意義を積極的に開陳するもので面白かったです。あと語り口が軽快で、これは我々の世代特有でしょうねw

 

また懇親会では、特にウェッブ夫妻の研究で有名な江里口 拓さんと率直な意見交換ができたのが収穫でした。同じ関心をもつ人との話はとても有益です。

 

さて再来週は別な学会での報告があり、それでだいたい前期の学術活動はひと段落で次は秋のシーズンです。