今年二回目の研究会参加でした。福田徳三研究会。『福田徳三著作集』刊行のための研究会です。いまのところ順調に刊行がすすんでいて既刊は五冊。全21巻を予定しています(告知では20巻ですが現状増えました)。
今日は研究会メンバーの進行報告と同時に、研究会メンバーではなありませんが、山脇直司先生のご報告「デモクラティック・サイエンスと厚生経済学ー福田徳三のレガシー」がありました。福田徳三の社会論をヘーゲル・シュタイン的な市民社会論の中に位置づけるという非常に幅広く奥行のある視点からの解釈でした。
山脇先生の福田徳三についての言及は、その著作『経済の倫理学』、『公共哲学とは何か』、『社会思想史を学ぶ』、そして『公共哲学からの応答』で読んでいましたが、今回は従来にくらべてより市民社会論の流れの中で位置づけが鮮明になり、また塩野谷祐一の業績との関連など新しい論点も提起されていて面白かったです。
特に個人的には、ヘーゲルとの関連で、赤松要の生存権論を思い出して、山脇先生の福田解釈との対比を自分なりに考えるいいきっかけになりました。
赤松要の生存権論争についてはこのエントリーがあります。
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20120827#p3
- 作者: 山脇直司
- 出版社/メーカー: 丸善
- 発売日: 2002/09
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (1件) を見る
- 作者: 福田徳三研究会,江夏由樹,大月康弘
- 出版社/メーカー: 信山社
- 発売日: 2017/01/31
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (2件) を見る