今日たまたま京王相模原線でちょうど多摩川をわたり調布に入るときに羽田氏の本を読了したのでとても驚いた。驚いたわけはネタばれにもなるので書かないけど。羽田氏のこの作品は介護という設定を巧みにいかしていて、20代後半のちょっとストイックな若者の心象を描いていて共感できる。同じ芥川賞の又吉直樹氏の『火花』が通読できず挫折したのだが、こちらはちょっと時間を空けてしまったけど最後まで読めて特に後半の肉体鍛錬が本格化してきたところからひきこまれた。
杉田俊介さんの作品論は、他の羽田氏の作品を読んでないので、正しい感想を書ける気がしないのだが、それでもこの作品世界の一端が理解できた気がする、優れた作品論だと思う。ヒロイックではない、日常の中の労働の中で継続していくちょっとした「鍛錬」という喜び、そんな角度は確かにこの作品にはあるな、と思った。
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