川上徹也『Negiccoの成長ストーリーこそ、マーケティングの教科書だ』

 なにがいいかというとそれは一冊まるごとNegiccoの本だからだw。個人的にこの本がいい理由は、二点ある。

1 僕がNegiccoに関心を持つようになったここ1年より前のエピソードが豊富。

2 僕がNegiccoに関心を持つようになったここ一年のエピソードが豊富。

つまりNegiccoの過去の物語、現在進行形の物語を知りたい人には最適な書籍になっている。ファンと売り手がともに価値を生み出すという視点を、コトラーは「マーケティング3.0」というのだそうだが、いまのアイドル論の多くはそれを「物語消費」としてずっと分析を深めてきた歴史がある。本書はそれをNegiccoを題材に、またマーケティングの分野に特化して書いたものであり、とても読みやすい。

 僕はNegiccoのMeguちゃんが好きなのだが、えてしてファンになってるアイドルやアーティストのことを書くのは難しい。本書もそのむずかしさは出ていると思う(著者はNegiccoのファン)。ファン心情とプロとしての批評をどう両立させていくか、個人的にも取り組むべき問題だ。

Negiccoの新曲!トリプル!WONDERLAND
彼女たちの唄の多くがそうであるように、高速道のドライブにとても合っている。