昨年の夏にNHKのEテレで放送された「人間復興の経済学ー河上肇と福田徳三」を含む大正編が書籍になりました。僕もこの中で登場しています。明治編はとても面白かったですが、僕らの大正編もかなり面白そうです。内橋克人氏の独特の反経済学的思想が最後にでてますが、そこはまあ割り引いて読まれることをおすすめします。
ちなみに福田徳三が最後に格闘していたのは、3つの方向だと思います。市場社会の起源を先史時代までさかのぼり、それを「流通社会」という概念でくくろうとしたこと、二番目は厚生の経済学の方向、そして三番目は数理経済学の方向でした。人間復興の経済学を目指していたのでしょうが、その方向は経済学の間口を広げる、おそらく今日の新古典派的な制度経済学に近いものだったかもしれません。
- 作者: NHK取材班
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2012/12/21
- メディア: 単行本
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