Naked Loftで開催された「勝手に復興会議」に行ってきました。前半の一時間半ほどを聞いてました。上念司(経済評論家)、梅原克彦(前仙台市長)、倉山満(憲政史研究家、国士舘大学講師)さんたちの話は、復興や経済政策についてまったく頷く話が多かったですね。特に梅原さんの、財務省の三年期限の所得税課税は、社会の分断化をもたらす、というのは、その可能性を大きく秘めているでしょう。どちらにせよ、経済的ショックが持続して深いときに、課税すれば負のショックは不可避であり、とても上策とはいえません。
経済学者の一部は、増税のショックは一時的で限定されているといいますが、経済的不安の程度が高いときに、百歩譲って「一時的で限定的」なものでもあえて経済を落ち込ませることを行う想像力の欠如は恐れ入ります。しかも前回の97年のときは脆弱ながら経済が一息ついたところの課税ですが、いまの国際情勢(日本だけ緩和の遅れが著しい)の中では、おそらく数年はデフレ基調の不安定な経済が持続するでしょう。そんな状況で行うことはただ単に愚かな帰結をもたらすだけでしょうね。
性急な課税という手法にこだわるかぎり、今度はなるべく負のショックを少なくしようと、官僚的な発想(=増税をすること自体が目的)でいろいろこちょこちょ工夫するでしょうが、そんなことをすれば今度は十分な復興のための資金調達が困難になるでしょう。これが上念さんと僕、そして今日の梅原さんや倉山さんも含めた最も警戒すべき「なにもしない危機」の実情になるのではないでしょうか?
あと少なくとも素人を財務大臣にするいまの政権には明日はないでしょうね。
それと会場で梅原さんがぜひ読んでほしいといった『復興支援地図』をみるといかに今回の震災が広範囲なのか、あらためてわかるものです。ぜひ一読されてはいかがでしょうか。
- 作者: 昭文社出版編集部
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