タイラー・コーエン『創造的破壊』、日本の論壇に欠けている視線

 待望のタイラー・コーエンの『創造的破壊』の見本到着! これは今後、サブカルチャーも含めて文化・思想を経済の眼からみるときの必読参照文献に絶対なる。

 コーエンの『創造的破壊』は一度、ある版元で企画があがったが実は流れてしまった。そのときの僕の残念ぶりはかなりw だって絶対に日本の論壇に足りない本だから。担当予定の編集の方は頑張ってくれたんだけど、まさか却下されるとは思わなかった。だって例えば日本のポップカルチャーというのは評論レベルでもまた官公庁の政策レベルでも「日本文化はクール」に代表されるような単純な見方が100%主流。「日本文化はクール」という視点を批判している人たちもせいぜい自分の思いつき(美しく修飾すればその人のレアな見方)でしかない。そういう閉鎖したぐるぐるめぐりの論調を破ることができるいくつかの本の中の一冊だと思うから。

 で、1年ぐらいたって(僕が持ち込んだわけではない)作品社さんからこの監訳を頼まれたときはめちゃ驚いた。これはもう運命ではないか、と(笑。でもそのときの僕の喜び様たらそれはウキウキものでしたよw 

 浜野志保さんの読みやすくすぐれた翻訳と、なかなかユニークでwこのコーエンの本をさらに発展させた「物語の経済学」へのコースを示した僕の解説つきで、いよいよ、みなさんのお手元に来週届きます。お楽しみに! マジ!

創造的破壊――グローバル文化経済学とコンテンツ産業

創造的破壊――グローバル文化経済学とコンテンツ産業