今年、日本銀行問題と並行して関心を深めていったのが、東京都のマンガ規制関連。ただ僕の中では日本銀行問題の方がはるかにリアルに取り組まなければいけない優先課題だったので、何か自分から動くという時間的余裕がまったくなかった。主にネットで書いたり、一回だけネットテレビに出たり、副知事の直接見解聞いたり、都議の人に話を聞いたり、講義で自分の見解を整理したり、その程度だった。
以下はネットに書いた自分の考えをまとめたり(人がまとめたものも含む)したもの。
田中秀臣さんによる東京都「非実在青少年規制法案」問題へのツイートまとめ
自分のマンガ規制に関する考えの初期のものをまとめていただいたもの。1万ビューを超えていてかなり注目されている。まとめていただいて感謝したい。思い違いとか初歩的な疑問もあるが、それでも都議会というか東京都の行政がマンガ規制だけではなく、かなり奇妙でおかしなガバナンスだということがわかったのが収穫。
田中秀臣VS東浩紀〜実証に関して@都条例改正案会議・ニコニコ生放送〜
上のまとめから派生して出演したネットテレビで、東浩紀氏とやりあったもの。彼とは意見が根底部分で違うような気がする。別にマンガ規制だけではなく。
で、猪瀬副知事からも直接、彼の見解を説明していただいた。思わず拝聴したというのが事実だが(会った理由は別だったが)、迫力ある説法はあいかわらずであり、この問題を論じている人の中では賛成・反対の中で群を抜いているのは事実である。
これ以降、学務が多忙なのが引き金で体調を大きく崩した。その合間に、デフレ脱却問題だけは関与し続けることはできたが、時間的リソース切れ。以降は、ようやく最近、マンガ規制についていろいろ考えをまとめることができるようになる。
一番、自分の考えをまとめたのが以下。これをさらに洗練した意見を早稲田大学の経済学研究の講義で述べた。
一番上の長岡氏の本の書評の体裁をかりて、自分なりの「規準」を明確にしたうえで「規制」の経済的な意味を考えたとことが、たぶん他の論者たちと異なると思う。このマンガ規制と例えば再販制などの問題も同じ視点から整理することができる表裏一体の問題であると思う。それと都のガバナンスへの注目。特に日本銀行問題とまったく相似形をなしているところに僕は激しく興味を魅かれた。
長岡義幸『マンガはなぜ規制されるのか』
長岡義幸「性表現規制の都条例改定問題再び勃発」『創』1月号
河合幹雄「マンガ表現の規制強化を問う」