2010年、ありがとうございました

 2010年がまもなく終わります。正直、こんなに長くデフレ問題を書き続けるとは思いませんでしたが、2011年はちょうど僕が野口旭さんと一緒に書いた「構造改革論の誤解」と、自分が研究者としてのキャリアの最初の成果となる『沈黙と抵抗』を出して10周年になります。10年前はメールマガジンもしていた。早いものです。高橋亀吉が経済時論は10年続けないと一人前にはならない、と書いたのですが、ついに10年が経過することになります。まあ、高橋の一人前と僕の考える一人前は一致しないでしょうから 笑 遥か先に目標を設定した方がいいような気もしています。今年は健康を前半に壊してしまい急ブレーキがかかりました。死んだら終わりですのでwこれからは自分の健康を第一に考えていきたいと思います。いろいろガタがきてますから好きなことをいまのうちやろうとも思ってます。まあ、今年は本当に変化しました、いろいろと。

 昨年の11月の終わりに『偏差値40から良い会社に入る方法』(東洋経済新報社)を出したのと、同時並行的にデフレ脱却のためのいろいろなアクションに参加したことが、僕の考えをだいぶ変化させました。ちなみに前者の著作が僕の代表作であるという評価がなぜかまわりの経済学者に多く困惑しています。なぜならこの著作はやむにやまれず書いた側面もあるからです。不況の中での目の前の学生の就職にどうこたえるかという自分なりの必要不可欠の道具として書いたものでした。ただ自分の価値判断を最終章を中心にもろに表現しているのも特徴かもしれません。これに続く作品が、いま書いている「自伝」になるでしょう。これは来年中には出ることを祈っています。いや、頑張ります

偏差値40から良い会社に入る方法

偏差値40から良い会社に入る方法

 今年出した著作は共著もいれると以下の三冊でした。『偏差値』が去年の11月末なので事実上、一年ほどで四冊、しかも単著が三冊は僕としては最多の年でした。一冊一冊まったく違う内容で、自分のことながらあまりの変化球主体のピッチングに呆れてもいます。まあ、そんなものです。

 『デフレ不況 日本銀行の大罪』(朝日新聞社出版)は夏に出しました。書いたのは春ごろなどでまだ健康がよかったころですね。これはハードカバーで出て嬉しかったですね。また自分が10年近くやってきたことの集大成になっているのも人に自分の政策に対する見解を伝える上で役立つことこの上なく、とても重宝しています。ぜひ日本の長期停滞に関心のある人すべてに読んでいただけたらと思います。この本の内容を踏まえた事実上の続編論文「日本銀行の闇 失われた20年の政治経済学」がまもなく某誌に掲載されます。

デフレ不況 日本銀行の大罪

デフレ不況 日本銀行の大罪

 『日本思想という病』(光文社)は、何人かの著者の人との共著です。書いたかたすべてと未見ですw シノドスの少人数の方のレクチャーをもとにしたもので、自分の日本経済思想史についての簡単な見取り図を示したものでなかなか面白い企画です。来年はこの中でもふれた福田徳三、そして高橋亀吉の研究書が世に出るといいなと思っています。いや、必ず完成させます 笑

日本思想という病(SYNODOS READINGS)

日本思想という病(SYNODOS READINGS)

 さてそして年末に出た『AKB48の経済学』(朝日新聞出版社)です。これは自分でも少なからず満足しています。好きな作品です。SKE48についてやまたAKB48や少女時代などK-popについてもこれからいくつかの媒体で発言や論説を発表することになると思います。またテレビにまさかAKB48の話題ででるなど今年のはじめには想像もしてませんでしたが、朝でしかも休日に出たので多くの人の目にとまってしまいw 知人から驚かれたのも記憶に新しいです。まあ、おかげで研究室の戦闘状態が世間の目にさらされましたがw(ボランティアな秘書=資料片付け要員募集中 笑)。

AKB48の経済学

AKB48の経済学

 来年書く予定の本はいろいろあり迂闊にここで書くと、督促がきたりなんだかんだで大変ですので「ご心配なく書きます!」と宣言した上で、ともかく自伝を書くことをまずなによりも優先します。これは必ず。そして加えて皆さんに約束したあの本の最新版がついに出ます。それはかなり衝撃的な内容になるでしょう(いま準備過程ですがわくわくしています)。お楽しみに! そして一年ありがとうございました。Twitter中心になってしまいブログは補助的なのですが来年もしばらく継続すると思います。どうかよろしく! 皆さんによい年が訪れますように。