100万円の家政婦は見た

http://www.ewoman.co.jp/winwin/97im/21.html

伊藤元重先生らの対談から引用

伊藤 そうですよね。これはもちろん、日本で人を育てるということも大事なんだけど、やっぱりもう、外から入れるということを考えなきゃいけないのかな、と。僕の友人が、この前、面白いことを言っていました。子どもが生まれたんだけれど、経営者でお金があるわけ。それで、奥さんには楽をしてもらおうと思って、いい家政婦さんを探そうと思ったら、月100万ですってね。

佐々木 そうなんです。私が、1人目を産んだ時に、保育園・幼稚園の事情がよく分からなかったので、やっぱりベビーシッターさんかなと思って、問い合わせたんです。朝の9時から夜の8時ぐらいまで毎日、月〜金曜日。「おいくらですか?」と聞いたら、「80万円です」って言われて。それなら、私がやるって(笑)。もちろん直接雇用すると下がりますが、それでも月に20万円。フィリピンの方をお願いしたくても、ビザのスポンサーになれないし。

 ちょっと外国人労働者関連を検索していて偶然読んで実際に驚いた。それは100万円の家政婦さんや80万円のベビーシッターさんが存在してももちろんおかしくもなんともない。しかしこのお二人はそれを一般化して外国からの労働者受け入れを議論しているその「一般化」の程度に僕はかなり驚いている。

 例えばググルとわかるが家政婦さんの平均的な料金は週5日(いや7日でもいいが)せいぜい20数万円(30数万円)程度が相場のようである。こことかこことか参照。100万円の家政婦さんを探すほうが困難である(というか探してないので誰か探しておいて)。

 さらにベビーシッターさんであるが、例えば上の人の発言のような条件でみるとやはりせいぜい30~40万円の範囲ではないだろうか。こことかこことか。

 まあ、高額には違いない。だが倍の開きがあるし、もしベビーシッターさんが月100万円いただけるならば、一月ぐらい僕がお世話してもいいのだが(半分まじめ)。

 まあ、いずれにせよ、子育てと仕事の両立は難しいのは確かで、それには100万円家政婦や80万円ベビーシッターはともかくとして、高いコストがかかるのは大きな問題といえるでしょうね。

(付記)さらにちょっとまじめに考えると確かに支払額は20数万円から30万円でも高額なのは確かだが、仲介手数料が介在しているわけだから、この家政婦さんの実際の(期待)収入はそんなに高くはないだろうね。もちろん伊藤氏目線の100万円とか佐々木目線の80万円が平均期待所得だったらこの家政婦(ベビーシッター)市場はまったく違った様相をみせるでしょう。

(付記2)要するに伊藤・佐々木両氏の視点というのは富裕層による家政婦・ベビーシッター需要の補完・代替としての外国人労働者受け入れ論であり、僕が強く関心を持っている中間層の子育てコストの削減という観点ではないことはいえるでしょうね。