重商主義への照射


 朝から群馬に行き、本務校の記念講演→時間が空いたので高崎で映画(夏帆うた魂』)→記念パーティー→大雨の中、夜の関越道(途中、眠くなりパーキングで爆睡)→こんな時間に帰宅。という群馬漬けでしたが。その講演で聞いたのは、かのイギリス重商主義の中心のひとりトマス・マンが息子に宛てた商人としての心得を書いたもので、これが今日でいう実学重視の教育と商人の倫理について述べている、というもの。これは興味深く拝聴した(澁谷東大名誉教授のガンについての講演も実に面白かった)。僕はイギリス重商主義についてはその昔に経済学史のいくつかの古典的研究書を読んだ程度の知識しかなく、現状では「重商主義=実践ではさけるべき教義」という印象なのだが、今日は重商主義について異なる印象を抱いた。


 マンは息子に、貴族たちが土地を私有しそれを何代にもわたり所有し上手く利用することで王の信頼を得ているが、貿易商人にはそのような土地のような私有財産はない。だからともかく勤勉に勉強して、いまの言葉でいえば人的な資産を蓄積しろ、とアドバイスした。そしてそのような学習の態度こそ王、社会の信頼を得るのだ、と。そして息子に貿易商人として学ぶべき実践的な教訓を与えるのである。その教訓というか学ぶべき箇条は今日のグローバル化に対応する興味深いものであった。


 未完結w