BIS日本銀行ネタ+『円の足枷』の懸念


 http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20070625#p5でのBIS年報ネタなんですが、半分冗談で「BIS年報の日銀政策に関する記事が、日銀主観的な世界で最も(笑)日銀用語にみちた日銀政策の説明だったとしても驚くに当たらないとは思います」と書いたら、本当にこの年報の日銀政策に関する記述は、本家の説明以上に簡潔でその意味では便利なものでした(笑)。


http://www.bis.org/publ/arpdf/ar2007e4.pdfの6〜9ページ(通算頁数だと64頁〜67頁)。


 正直いってこの箇所以外はとりたてて面白い記述もない年報なので、例の「円安異常」発言をみつけるのは面倒なのでどなたかにまかせますが、書いてあっても不思議ではないでしょうね。この日銀政策の実に丁寧な説明をみるかぎり(笑)。


 ところで『円の足枷』で安達さんが書かれていたと記憶しているのですが(明日、研究室で確認しますが)、1ドル120円超えるあたりから「円の足枷」を反映した声が聞こえてくる=圧力がかかりはじめる、ということだったと思いますが、このBIS日銀もその一環でしょうかね。ということは逆にこの状態=円安が現状の水準以上(できれば125円よりも円安)で安定すること、が「円の足枷」の事実上の終焉になるかもしれないですね。興味深いのは円キャリートレードを障害視している集団が、実はある一定水準(恣意性が強いので“強い円”としかいえませんがw)の円レートに経済的合理性に欠けたまま固執しているということですね。そういう発想の方が資源の誤配分を招くのに*1

*1:円安での円の足枷放棄という円レートの一定水準への漠然とした支持は、経済合理性=デフレ脱却、を有していますので悪しからず