勝間和代さんのデフレとの闘い

 高名なエコノミストが、勝間さんの昨日の活動をみて、「勝間和代が日本を救う」と評した。英雄主義めいたことを書くのは勝間さんにも支持している皆さんにも申し訳ないが、こころのどこかで僕もそう思っているのを否定できない。

http://kazuyomugi.cocolog-nifty.com/private/2009/11/post-288b.html

の記事をみてそのプレゼンの水準が、きわめて高く、まさにデフレをまず止めよ、という戦略が直接聞くものに届くことがわかる。政府が選択肢に加えてくれたことを本当に願いたい。

国庫納付金とシニョレッジ政策

 twitterで今日ふと思ったことを書く。思いつきのひとつなので不可能だったら指摘してほしい。
 
 政府紙幣論というのがあるが、これはシニョレッジ(通貨発行益)をもとにした景気対策だ。簡単にいうと政府が独自に紙幣を発行し、その原価を除く部分を直接に景気対策に利用することである。これについてはこのブログの記事をめぐって、『週刊東洋経済』誌上から反論があり、珍しいブログ対雑誌の論争が発生したことがあった。

 ところで通貨発行益はもちろん日本銀行に生じている。これを毎期、国庫納付金として政府に納めている。ちなみに今年三月は2500億円弱と前年度に比較して半減している。旧日本銀行法では国庫納付金の額が景気後退期では増額し場合によっては税収を上回ったという指摘がある。今年の決算をみると新日本銀行法ではそのような恣意性はなくなっているという指摘がある。

 ところで下にリンクしたのが日本銀行法であるが、この国庫納付金の項目をみると第5項にかかわる必要な事項は政令が決めるとある。

参考:http://www.boj.or.jp/type/law/bojlaws/bojlaw1.htm#53

 国庫納付金のベースは日本銀行の剰余金であり、これは通貨発行益から日銀の人たちの経費や人件費、配当、準備金などを引いたものである。配当や準備金などは日銀法をみると財務相の認可など制約が厳しい。

 ところでひとつの思考実験だが、政令でこの国庫納付金の額を定めることが可能だろうか? 例えば財務相=政府が、政令で「2010年度中に2兆5000億円の国庫納付金を納めること」と執行命令を出すことが可能だったとしよう。5000億円がまあ通常の納付金だからそれに2兆円も上乗せされたことになる。つまりかって旧日銀法で暗黙にやられていたことを今回は明示的に政令の形で行う(コミットがはっきりする効果もある)。もちろん通常より増額の2兆円はそのまま政府が景気対策民主党が考えている様々な政策の財源になるだろう。

 そして日本銀行は当然、この通貨発行益を生み出すために既存の「日本銀行券ルール」の見直しなど急速にマネーを発行する必要がでるだろう。

 そこでここを読んでいる人に質問なのだが、私はもちろん経済法には疎い。以上のような政令で国庫納付金の金額と納付期限を定めることができるかどうかである。素朴な勘違いであるかもしれないが、ぜひお聞きしたい。御意見を待つ。

(付記)ちなみに日本銀行券の信用が低下するからだめ、という類の不可能論は必要ではないのでご遠慮願いたい。それとこの提案はもちろん非民主的な中央銀行へのプロテストの色彩が強い思考実験。もし納付しなかったら日本銀行差し押さえ まあこれは冗談だが笑。

最終告知!「イイ経済学、ダメな経済学 ― エコノミストぶった斬り!」

シノドス&光文社共催の公開イベント「イイ経済学、ダメな経済学 ― エコノミストぶった斬り!」いよいよ明後日です。、そろそろ満席ですのでお申込みはお早目に。

 珍しい秘蔵??資料も沢山用意しました。お楽しみに。

 お申込みは以下から

 http://synodos.jp/event/index.html#lecture03

 しかし欲張りすぎてレジュメがえらいことに 笑

津田大介『Twitter社会論』

 宇野さん、荻上さんたちとの対談で、タイラー・コーエンの議論を応用してから、Twitterへの理解を深める必要を感じた。昨日はその最初の実践(リアルタイムのつぶやき)を実行した。テレビやラジオを視聴しながら、「それはいかがなものかと」というまるでお茶の間政談と記録の試みである。

 本書はそのようなTwitterのもつリアルタイム性と伝播力の強さを、さまざまな事例で示している。また本書はTwitterが「監視」するツールとしても有効であることをその功罪両面を、事例豊かに説明していることでも特徴がある。巻末の勝間和代氏と著者との対談も教えられることが多いだろう。

 twitterの伝播力で問題になるのが、そのつぶやきの信頼性だろう。これについても本書では、いくつもの具体的な事例で説明していて展望にすぐれている。例えば僕が前回やってひっかかったw ハーマイオニー死亡風説なども書かれていて微苦笑を浮かべた。

 僕はどうもブログ中心の方が本来のライフスタイルにあっている。それは端的にブログの一日の固定読者数(だいたい2000から3000くらいだと思うが)を大きく下回る人数しか今日現在のところTwitterのフォロワーがいない(200人以下)ことにもそういう面がすこし表れているのかもしれない。まあ、少しずつ改善したいものだがw 目標は1000人超えw

 

Twitter社会論 ~新たなリアルタイム・ウェブの潮流 (新書y)

Twitter社会論 ~新たなリアルタイム・ウェブの潮流 (新書y)

勝間和代・飯田泰之、TBSラジオアクセス

 twitterで1時間近く実況してみたw 年がいもなく興奮した。自分が出たとき以上に 笑

http://twitter.com/hidetomitanaka

http://twitter.com/hidetomitanaka/status/5450819818

総括:勝間さんの物価上昇=所得をあげることと、再分配の区別による両輪政策の話はとてもわかる。僕はこの立場。 対して残念ながら飯田さんのはあまりに(ニューケインジアン的すぎて)デフレ対策を再分配とむすびつけすぎて、最初のふたりのリスナーに貧窮を耐えろみたいなふうに聞こえている。

ここの意見も参照:http://twitter.com/night_in_tunisi/status/5450542632