原田泰「消費税増税論の盲点」

 ジンバブエの話題も興味深いけれども(http://bizplus.nikkei.co.jp/colm/harada.cfm)以下の論点も極めて重要。

:日本の将来の財政負担を解決するには消費税引き上げが必要だと多くの人が論じているが、本当に必要なのは、将来の消費税引上げ時に、それを年金給付額に加算しないことについて国民の同意を得ることだ。:

http://www.dir.co.jp/publicity/column/080801.html

若田部昌澄「温暖化対策が最優先課題?」

 『Voice』9月号に掲載されているものでネットで読める。
http://news.goo.ne.jp/article/php/politics/php-20080815-01.html

地球温暖化問題の優先順位が低くなる理由は、ごくごく単純な理屈にある。それは、煎じ詰めれば「無い袖は振れない」、あるいはやや専門的にいえば資源の希少性とトレードオフに帰着する。

問題の解決に必要な資源とそれによって得られる効果を比べてみると、地球温暖化対策は効率がきわめて悪いという。こうした考え方はいうまでもなく経済学の基本である:

上野泰也「「悪い物価上昇」で強まる消費者の生活防衛姿勢」

 うっかりチェック忘れのもの。『Voice』の上野論説と相互補完的な関係にある。ちょっと変わった視点は以下のもの。

: 最後に、明るい話を1つ。「悪い物価上昇」で消費全体が冷え込む中で、伸びている食品がある。それは、コメ。小麦価格の急騰を反映してパンやパスタが大幅に値上がりする中で、価格面での割安感が見直され、家庭でご飯を食べる量が増えている。総務省の家計調査によると、全国の2人以上の世帯が1カ月に購入したコメの数量は、今年1月以降、6か月連続で前年同月を上回っている(図表3参照)。これにあわせて、スーパーなどでは、お惣菜やレトルトカレーなどの販売数量が増加しているという。日本古来の農作物であるコメの良さが見直される機会、一種の「コメ回帰」が図らずも到来しているわけで、そこには潜在的に大きなビジネスチャンスがあると言うことができるだろう:

岡田靖「第2幕を迎えつつある米金融危機」

 うっかりチェックし忘れてたもの。昨日の上野論説、そしてその関連で紹介した拙著の引用とも関連するので紹介。

http://special.reuters.co.jp/contents/insight/index_article.html?storyID=2008-08-08T043019Z_01_TK0113527_RTRIDST_0_ZHAESMA06938.XML

: ただ、インフレとは言え、その正体は相対価格の変化だから、国内生産物の価格上昇はエネルギー価格の上昇と比較すれば小さなものにとどまる。もし、同じだけ上昇したなら、所得流出は起こらないわけだ。つまり、表面的なインフレの高進の背後では、国内生産物の価格に関しては低インフレあるいはデフレが進行しているから、所得流出が起こることになるわけだ。事実、国内生産物だけの価格であるGDPデフレータを見れば、米国でも1%程度の上昇しか起こっていないし、日本ではマイナス1%超の低下が生じているのである。
スタグフレーションとは不況(スタグネーション)とインフレーションの合成語であるが、現在起こっているスタグフレーションの正体は、表面的なインフレーションと相対的な低インフレあるいは日本では国内生産物のデフレーションの組み合わせなのである。
これに対し、利上げで対処しようとしても、結果的には国内生産物価格の低下を招くだけで、なんら望ましい効果を期待することはできないだろう。:

 これを読むと十数年継続しているデフレがいまだ解決されていないことが、大規模な所得流出という形で、日本経済「全体」を苦境に陥れよている真の犯人であるといえるだろう。

今日、ミラーマンを読んだ&山崎元『エコノミック恋愛術』

 今日、何かの羽音が五月蝿いなと思った。かさこそかそこそ、するのでまさかゴキブリ? と危機感を抱いた。いくら、リフレ派が声の出るゴキブリといわれたからって、この間、山崎元さんにはゴキブリTシャツまでもらって和解??したわけだし。同族に引き寄せられたわけでもあるまい(そういえばあのTシャツの写真を掲載せねばw)。

 窓際をみたら、なんと家の中に蝉がいた 笑)。つまんでおしっこでもかけられたらいくら表紙にションベン小僧の絵がある本の著者とはいえまずかろう。窓をあけてちょこっと推すと、もう体力がなくなっていたのか落下するかのごとき感じで戸外に去っていった。

 さて土曜ということで週末は、失ったものプライスレスのミラーマン登場の漫☆画太郎の新刊、それに『ハチワンダイバー』の新刊を読んだ。前者はワンパターンのおかしさをとことん追求していてそれに釣られて何度も読んでしまう。読んだからといって何を得るわけでもないのが 笑)

 最後に、オチがないので、山崎元さんの新刊を宣伝して終りにしよう。

エコノミック恋愛術 (ちくま新書)

エコノミック恋愛術 (ちくま新書)