エドゥアール・ロネ『変な学術研究Ⅰ』


 イグ・ノーベル賞*1を十分意識したエッセイ集。題名の下にあげてある「光るウサギ、火星人のおなら、叫ぶ冷凍庫」に魅かれて購入。ただし読めばわかるけれどちょっとこれは? 


 それはさておき、経済関係のネタも収録している「コカイン汚染紙幣」と「失業感染症」、それに「知性ゼロ」。


 ところが前者は翻訳の意味がいまいちとれず、ドイツのユーロ紙幣の90%がコカインまみれだった、というある研究所の報告なんだが、たぶんコカインがらみの犯罪で応酬した紙幣の90%がコカインを紙幣を使って吸引した証拠だ、ということなんだろう(違うのか?)。二番目のは、失業者と付き合いの多いひとほど失業している、というスウェーデン社会学者・経済学者たちの実証研究。しかしこれは失業率の高い地域の住民ほど失業に陥っている確率が大きい、という話らしくちょっとなんだか感がある。最後の話題は、例の株価予測で、猿にダーツをさせて当たった株価を購入したり、または知性ゼロ(何も考えないで選択したケース)が、プロのアナリストの株価予測と対して違わない成果を収めるという例のお話。

 

 むしろ表題にはあげられていない普通??の表題のエッセイが味わい深い。「ブランコの新しい揺らし方」は自分でもすぐにでも発見できそうだし、「プルーストを求めて」も「紅茶にひたしたマドレーヌが溶ける失われた時間の計測」や「コルク部屋に来訪した人間と動物の数、含む妄想」とでも題したエッセイなら書けそうだし、「毛深くなくてよかった」のテーゼ「恥毛は、性フェロモンを強調し、性交の相手を選択するために重要な役割を果たす」にも、実証(実演?)可能で代替可能なテーゼで論文を書けそうな気がする。


 とりあえず今年のイグ・ノーベル賞には二年ほど不在だった経済学部門に何か栄誉が与えられることを望みたい。


変な学術研究〈1〉光るウサギ、火星人のおなら、叫ぶ冷凍庫 (ハヤカワ文庫NF)

変な学術研究〈1〉光るウサギ、火星人のおなら、叫ぶ冷凍庫 (ハヤカワ文庫NF)

 アクセル・レイヨンフーヴッド「エコン族の生態」


 なんか海の向こうではいまさらこの論文「エコン族の生態」が流行ってる模様。日本では佐和隆光氏の『経済学とは何なのだろうか』(岩波新書)で援用され80年代に経済学部にいた学生中心に反経済学マインドを普及するのに貢献したことで知られる。同論文では「エコン族」の将来は悲観的だったけれども、この論文をいま読むと「エコン族」が何者なのか、実はよくわからないで「エコン族」を批判できるところが最大の要所なのかもしれない。

 『シルバー假面』その壱

 
 なかなか面白い。ニーナ@ザビーネの演技に頭をひねりつつ、森鴎外や本郷の存在意義にさらに頭を傾げつつも、あっという間に最後までいきました。弐と参も期待してみたいと思ふ。それと中の人=Miwaの立ち姿が綺麗(ここに詳細情報あり)。

 マルチュク青春通り


 寺脇本に刺激?されてまだ見てなかった韓流映画をいくつかまとめて観ることにする。これは意外と拾い物。モムチャン度もそれほど気にならず、むしろ僕と同じ世代(386世代)の時代的雰囲気が再現されているとしたらその日本の同時代に比しての過酷さには驚く。