文化放送「おはよう寺ちゃん活動中」10月29日火曜コメンテーター出演:豪雨インフラ対策、香港景気後退、消費税段階増税論批判など

本日もおはよう寺ちゃん活動中お聴きいただきありがとうございました!

専門論文も一息の期間なので時論の勉強にせいをだしてます。その成果が徐々に表れるといいのですがw。期待してお待ちください!

 

本日のニュース解説メニュー
○英の離脱期限 1月末に
○豪雨インフラ緊急対策
増税後物価上昇鈍く
○香港経済景気後退に
○IS報復 欧州警戒
○消費税段階的増税
○芸人ツイートに京都市が100万円

 

今週の放送は以下から聴けます。
http://radiko.jp/#!/ts/QRR/20191029060000
また生放送はラジオの他、radikoでも聴けます
http://radiko.jp/#!/live/QRR

 

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田村秀男「経済成長を無視する空っぽの保守主義」in『クライテリオン』2019年11月号&「経済ひとりがたり 田村秀男」

数日前に紹介した『クライテリオン』で読むべきものは、最後の座談会とこの田村さんの論説である。安倍政権の経済政策、特に今回の消費増税を批判する筆致は厳しい。成長志向なき保守主義は「空っぽ」であうという視点は、僕も共有します。田村さんは財政政策中心に、僕は金融政策中心に考えて、それでも両方ないとダメ、という点では一致していると思ってます。

 

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ところで僕はたまに「ぼっち語り」トークイベントをしているのですが、田村さんも「経済ひとり語り」シリーズをしてるんですねw。傾向がなんとなく早稲田的でさすが同じ学部の先輩ですww。

 

ちなみにこの動画のあとにはりますが、数年前に共著もありますので、またふたりで続編ができたらいいなあ(笑


経済ひとりがたり田村秀男 #4「消費税増税と内部留保で国滅ぶ」韓国経済が破綻する理由と日本のデフレ経済の行く末

 

日本建替論 〔100兆円の余剰資金を動員せよ!〕

日本建替論 〔100兆円の余剰資金を動員せよ!〕

 

 

クルーグマン、フリードマン、グレーバーら『未完の資本主義』(大野和基インタビュー&編)PHP新書と日本など先進国の生産性比較

これは面白かった。クルーグマンとコーエンは相変わらずなんだが、ビクター・マイヤー=ショーンベルガーのデータ資本主義論が興味深い。セドラチェック、ブレグマンはおじさん版のグレタ・トゥーンベリなんだなと得心いった(笑。

 

AI型失業についてはクルーグマンとコーエンの将来ビジョンが違うところも相変わらずだが、やはり現時点の分析ではクルーグマンに軍配をあげるべきでしょう。しかしビクター・マイヤー=ショーンベルガーのデータ資本主義は、これはマッチングの話でもあり、価格で調整してきた市場モデルから、価格というデータの集約メカニズムを使わずに、直接にAIなどのプラットホームが情報を集約し、それを市場に提供できれば、価格はやがてすたれるかもしれない。データが直接の貨幣的表示となる。それがまあ、仮想通貨なんだろうけど、データ納税の話ともからんできていろいろ面白い空想ができる。彼の『データ資本主義』も読んでみたい。

 

あとクルーグマンが日本の現在の生産性の成長率は低くない、むしろ欧米と比較すると上の方だ、というのが日本の多くの読者には新鮮でしょう。単に実質GDPアベノミクス以降、増加したということだけどw。

 

以下は昨年2018年7月4日の原田泰さんの講演から拝借。直近の2017年から18年にかけては日本は0.7%。米国 0.9% 英国0.6% ドイツ0% フランス1.5% イタリア マイナス0.2% カナダマイナス0.2%

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https://www.amazon.co.jp/dp/4569843727

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宮崎哲弥・藤井聡・中島岳志・松尾匡「思想の転換点 第二回」『クライテリオン』

『クライテリオン』の最新刊をご恵贈頂きました、ありがとうございます。

まずMMTについては政治運動はともかくとして、理論的には相変わらず言ってる人で見解が違う支離滅裂な体系であり、特に物価水準が不定であることがその根幹にあると思います。まあ、旧日銀のように日本を停滞させたい人にはお勧めします。

 

それはさておき他の部分では、宮崎哲弥さんが紹介している暗黒啓蒙のラインがほとんど知らなかったので勉強になりました。ただ加速主義って1920年代のドイツや日本でも同じこといってた人は何人かいたのですよ。資本主義をつきつめると超資本主義が生まれる、その前にはリフレなどは妨害でしかない、みたいなね。それが醜い形で顕現していくのが、昭和研究会の経済提案ですね。ここらへんはすでにわれわれは『昭和恐慌の研究』に続いて『経済政策形成の研究』でやっています。加速主義自体の議論はちょっと周回遅れの気持ちも実はあります 笑。

 

いずれにせよ、暗黒啓蒙はなかなか面白いタームなのでチェックはしないと。

 

 

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「オレのつぶやくMMTが世界一!」とか言ってるネット匿名の裸の王様たちへの自意識肥大をみたす機会の情報提供w

愚か者たちの集団が、匿名MMT支持者の群れである。肥大化した醜い自己顕示欲と、他者への攻撃性だけが増加した悪しきど素人の群れである。さてそんな人たちに自意識肥大をみたす機会を提供しよう。といっても僕が与えるのではなく学会が提供する。

 

ひとつは、誰でも会費を払い、ちゃんとした発表なら報告できるケインズ学会。詳細は下記のリンクで。今年度のはもう締め切っているので、ひょっとしたら匿名さんの誰かがMMTで報告するかもしれないw。そうなったら楽しみにしている(笑。ちなみに匿名は認められていないのでよろしくw

ケインズ学会の最新活動状況:(公式)ケインズ学会:SSブログ

 

もうひとつは、MMTに絞った特集号を『金融経済研究』(日本金融学会)が特集号を出すという。非会員でも投稿可能。その論文をもとに2020 年1月 31 日(金曜日)に慶応義塾大学(南館4F 会議室)にてコンファレンスを開催する。

特に下記のページではMMT特集号についてふれてはいないが、コンファレンスで発表を希望する場合は、完成論文(あるいは A4で 10 ページ程度の要約版)を 2019 年 12 月 31 日までに下記の編集委員にメールで送付。論文は日本語・英語を問わないという。一応、こちらも匿名は認められていないが、いつも「オレのつぶやくMMTは世界一」「正統派経済学者よりオレが一番」という匿名が多いので、そんな人にはぜひチャレンジしてはどうだろうか 笑。

 

機関誌紹介:日本金融学会

白川方明日本銀行前総裁のダメな経済論説

Nikkei Asian Reviewに登場した白川氏の論説「世界は“日本化”の悪しき教訓を学んだー政府はデフレの亡霊ではなく、生産性向上に焦点をあてよー」が掲載されてたと知人からのメール。「デフレの亡霊」とは白川総裁時代の日銀の亡霊がいまだに日本銀行の政策を拘束している……ならば十分にわかる話だが、もちろん違う。

 

一読して白川氏の発言には100%賛同できないな、と思った。要旨は、知人がメールで要約してくれたのでパクるが(笑)

 

1.低金利政策のために非効率的企業が生き残ってしまい、それが生産性低下の経路から自然利子率低下に至る。

2.金融・財政政策は共に需要の先食い政策でしかない。

3.日本の経済成果は、人口動態を考えれば悪くない。むしろ生産性高めろ。

 

である。本当にダメな経済論をフルセットでみていて、要するに緊縮マインド全開。あれだけ雇用の機会を奪っていた自分たちの旧日銀の政策への反省は微塵もなく、その一方でいまの若い人たちの雇用が堅調なのをまったく評価せず、若い人たちが働いている企業を非効率的企業の存続と切り捨てる。これは雇用改善無視というリフレ政策(いまの日銀の金融緩和政策は基本これ。不十分で問題はあってももこれはなんとか揺らいでない)への反論としておなじみのもの。

 

ちなみに自然利子率低下どころか、ひょっとしたら自然利子率(とりあえず仮設する)が思う以上に上昇しているために、それなのになかなか完全雇用→賃上げ の経路が機能しないか心配しているのに(要するにデフレ期待が強くなっている)、この白川氏は相変わらずダメな経済論を発言しているなあ、というのが実感。

 

asia.nikkei.com

 

 

浅田統一郎「2019年度経済財政白書を読んで 「アベノミクス」の成果と消費税増税の影響の評価が焦点」」

浅田さんからファイルを送っていただき拝読しました。拡散してほしいとのことなのでお知らせします。

 

 正統的な財政と金融のポリシーミックスが必要なこと、過去のアベノミクスの成果はほぼ金融緩和の継続で説明できること、消費増税が最悪のタイミングで行われることなどが書かれています。『経済財政白書』の解説としても読めますのでぜひご一読ください。以下に全部画像で掲載してます。『信用金庫』2019年10月号より。

 

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