クルーグマン、フリードマン、グレーバーら『未完の資本主義』(大野和基インタビュー&編)PHP新書と日本など先進国の生産性比較

これは面白かった。クルーグマンとコーエンは相変わらずなんだが、ビクター・マイヤー=ショーンベルガーのデータ資本主義論が興味深い。セドラチェック、ブレグマンはおじさん版のグレタ・トゥーンベリなんだなと得心いった(笑。

 

AI型失業についてはクルーグマンとコーエンの将来ビジョンが違うところも相変わらずだが、やはり現時点の分析ではクルーグマンに軍配をあげるべきでしょう。しかしビクター・マイヤー=ショーンベルガーのデータ資本主義は、これはマッチングの話でもあり、価格で調整してきた市場モデルから、価格というデータの集約メカニズムを使わずに、直接にAIなどのプラットホームが情報を集約し、それを市場に提供できれば、価格はやがてすたれるかもしれない。データが直接の貨幣的表示となる。それがまあ、仮想通貨なんだろうけど、データ納税の話ともからんできていろいろ面白い空想ができる。彼の『データ資本主義』も読んでみたい。

 

あとクルーグマンが日本の現在の生産性の成長率は低くない、むしろ欧米と比較すると上の方だ、というのが日本の多くの読者には新鮮でしょう。単に実質GDPアベノミクス以降、増加したということだけどw。

 

以下は昨年2018年7月4日の原田泰さんの講演から拝借。直近の2017年から18年にかけては日本は0.7%。米国 0.9% 英国0.6% ドイツ0% フランス1.5% イタリア マイナス0.2% カナダマイナス0.2%

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https://www.amazon.co.jp/dp/4569843727

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