頂戴した『メディア史研究』に収録されていました。中村宗悦さんと私の旧稿にもふれていただきました。経済雑誌研究は、事実上研究分野の一大欠落を成していて、なかなか研究が進展していない分野ではないかと思います。ただ何年か周期で経済雑誌研究の盛り上がりがあるのも事実でして、大澤さんのご研究もそうでしょうし、手前味噌ですが、占領期の経済記事・雑誌研究をしている私たちのプロジェクトもそのひとつになるかと思います。大澤さんの論文では、『経済往来』という経済雑誌が、『日本評論』という戦前の代表的な総合雑誌として変容していく過程を、編集サイドから実証的に分析することで、経済雑誌研究の分野でも(もちろん戦前の雑誌研究にも)欠けていた同誌の研究に手堅い貢献を行った、重要な分析だと思います。これからの基本文献のひとつになるかと思います。
実は中村さんとの間で書いた経済雑誌『サラリーマン』についての単行本用の草稿が、もう10年近く手元にあるまま多事多忙で忘却されている状態です 笑。いずれどうにかしないといけないように思えるのですが…。
- 作者: メディア史研究会
- 出版社/メーカー: ゆまに書房
- 発売日: 2009/05
- メディア: 単行本
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