『平成・普通切手総図鑑』(切手の博物館)と世界切手まつり スタンプショウ2019

去年の夏に、小学生以来40数年ぶりに切手収集を再開して、まだ9か月。まるまる平成期は切手に関心をもたないで過ごした。この新刊の『平成・普通切手総図鑑』は、その空白を埋めることができる優れたカタログといえる。そしてほのかにかじられる日本の政治や郵政への批判的な姿勢も好印象である。特に消費増税に振り回されたこと、また統一的なイメージで始めたにもかかわらずなし崩し的にその試みが崩壊していく様などが、誰の責任だかわからないまますすめられていくのも興味深い。あるいは突発的な仕様やデザイン関係の変更なども、決定過程も不明なことも興味深い。日本の官僚主義の病理が切手でなんとなくすけてみえる。さすがにそこまでこの本は立ち入らないが。

 

また最近は、普通切手製造をフランスのカルトール社に一部で切り替えた説明箇所が非常に興味をひいた。知らなかった 笑)。印刷方法の変更とかがあるので一概に比較するのが難しいが、それでも細部の表現がカルト―ル社の方が繊細になっていて、日本の国立印刷局はその面で劣っている印象になる。単純に比較できない話だろうが、それでもあえて比較すると、競争原理にさらされている民間企業と、政府によって保護されてきた機関の違いなのか。ここらへんはまた考えたい論点ではある。

 

いずれにせよ、この本はとてもいい本で、平成の日本切手は普通切手ぐらいはちゃんと集めようかな、という気持ちになる。

 

それとこの本も欲しくて、スタンプショウに初めていった。小学生の頃にはこの種のイベントは行かなかった。しかし記念スタンプとかイベント会場と切手屋さん会場は上下階に分かれているが、前者は満員気味で女性主力、後者はわりと閑散(笑)で(超)高齢男子中心で、日本の切手収集の衰退?が気になった。

 

モザンビークの切手とエジプトの2000年代、そして期待してはないが北朝鮮の50年代の出物を中心に。モザンビークは遠方からの出店舗でかなりあり、ほとんど買わせてもらったw。カンパニーで買いそびれたものもあったので収集。ある店舗で、モザンビークを集めてるのは珍しいといわれてしまったw。

 

 

平成・普通切手総図鑑

平成・普通切手総図鑑