杉田菜穂『人口論入門』(法律文化社)

 社会保障の専門家であると同時に、著名な俳人でもある杉田菜穂さんの人口論の教科書です。献本していただきました。ありがとうございます。
 
 今現在、杉田さんとは福田徳三研究会でご一緒ですが、本書でも福田徳三が日本の人口政策の理解に与えた影響が書いてあり、教科書の域を離れたマニアックなネタとしても面白そうです。

 僕は実は大学院のときは、人口論を履修していて、河野稠果先生の講義を通年でうけてました。そのとき以来ですね、人口論の教科書にふれるのは。

 ところで福田徳三の人口論の理解は、生存権の文脈で考える必要があり、それはすでに10年以上前に論文にもしたことがあります。杉田さんは優生学的な関心から福田の問題に新たな視点をあてようとしてますね。ふと思い出したのですが、ブレンターノのマルサス人口論とその優生学的解釈について、福田にどんな影響があったのかは重要な論点ですね。そこをまた再読したいと思いました。

人口論入門: 歴史から未来へ

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