ミシェル・ウエルベック『服従』

 『服従』はパロディ小説だと思いました。しかも政治や社会全体のパロディではなく、男性の“パイプ”(本書参照)を巡るパロディであり、現実の政治やイスラーム「国」などと重ねるのは誤読に陥る可能性が高いと思います。なので最後の佐藤優氏の解説は、まあ、それを読んで真剣に考えるむきも否定はしませんが、この小説の狙いはもっと「局部」的な妄執をめぐるパロディ小説です。

服従

服従