ももいろクローバーZ「GOUNN」:多様性をいかに超えるかの問い

 ももクロちゃんたちの新曲は、毎回そうだけどとても挑戦的なものだ。MVも含めて一見するとそのビジュアルや題材に意表をつかれるが、その底流にはいつも同じ、自分たちの試練を乗り越える(いつも笑いとネタと猛烈なエネルギーをかっとばしながら)というモチーフがこめられている。しかも彼女たちの曲には、いろんな価値観や意見の違いなどが渾然一体となってつぎからつぎへと流れていく。そして、それらの多様性をまるごと超越していく「共通価値」として、ももクロちゃんたちの姿があるんだな、といつも思う。

 つい最近の平和を語ったときの彼女たちの真摯な態度だって、この新曲の中にちゃんとつながっている。僕はそう思う。そして僕の意見も含めて、いろんな人たちの感想や感銘をひきうけて彼女たちがさらに面白い歌曲と演舞を披露してくれるのことを、これからも細く、でも強く長く見守りたい。