相当前に頂戴したまま感想書かずすみませんでした。講談社のサイトで連載していたものをまとめた長谷川さんの素晴しい論説集です。ジャーナリスト専攻の学生たちに読ませようと思います。ありがとうございます。
本書には原発の再稼働、小沢一郎問題など、多くがメディアの在り方の問題や官僚の支配的な構造に焦点をおかれて議論されています。
例えばこんな記述はとても役立ちます。
「財務省が財政支出の拡大に反対してきたのは、あくまで増税実現の先行きがみえない限りにおいての話にすぎない。自公両党の賛成を確実にして増税法案が通るとなれば、公共事業をお土産にするくらい、なんでもない。ばらまきで自分たちの官僚利権を確実にする、そのための増税だったのだから。ばらまきOKである」
このような財務省の態度は、素朴な彼らの意識でも確認できます(一例:東日本大震災が起きた直後の財務官僚の与野党への増税根回しの異常な早さなどもその表れです)。また理論的には、僕も書いたことがあるのですが、柴田弘文氏の財務官僚の利権の経済学分析は参考になります。
長谷川さんは、最近、麻木久仁子さんと高橋洋一さんとkindle本を出しました。これも近いうちに読んでみる予定です。
- 作者: 長谷川幸洋
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/01/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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