円高・株安を本当に止めたければ

 数日前にも書いたけれども、円高に連動して株安が進行(まあ、円キャリートレードの巻き戻しと考えたければ考えればいい)していることがそんなに問題ならば、日本銀行がいまの不況でも利上げ路線を放棄して、不況では利下げと積極的な金融緩和をしないかぎり無理*1。以下、雑感というかネタとして書きます。

 対外通貨に対する自国通貨の価値は、ほぼその国の金融政策のあり方によって規定される。現時点ですべての対外通貨に対して円だけが異常に独歩高を続けていて、それがG7あたりでも懸念されてる(実際に懸念するべきは実体経済への影響を考えると特に日本なのだがw)。

 この円高・株安を経済的にまずいと思って、本日も麻生総理は中川財務相らを官邸に招き、対策を練ったらしいが、この「対外通貨に対する自国通貨の価値は、ほぼその国の金融政策のあり方によって規定」という方程式からその対策が妥当かどうかネタとしてコメントしてみよう。

 空売り規制 → 空売りしないでも円買い他通貨売りができますが、なにか?

 銀行の自己資本規制緩和 → 銀行はバランスシートの調整に100歩譲って楽になるかもしれませんが、これを為替レートの変化がどう関係するんでしょうか? 銀行取付の懸念などの金融危機的な状況にない(コールレートとか低水準)日本では金融危機の予防的措置としての意味以外はなく、現状の円高・株安に無縁でしょう。

 円建て米国債を出させる → 朝生で拍手喝采が起きたらしいですが、これ正直よく理解できないんですが、米国は日本のことをかわいそうに思ってサービスしてくれるんですか? 笑。テレビでは日本の税金をアメリカにつぎ込む(=アメリカのいいなりになる)のはよくないみたいなナショナリズム真っ青の発想で拍手喝采だったそうで、拍手した人たちの脳内を疑いますが、アメリカにほとんど発行するインセンティブのない円建て米国債をなんで発行するんでしょうか? まあ、気がむいたらしてくれると思いますが(そうなるとドル独歩高をあえて選ぶということですかwwそうなったら米国も本当におしまいでしょうw)、アメリカに必死に頼む??(現状では土下座しても無理でしょうけれどもwwwまあそれでも同盟国??のサービスで少しは発行してくれるとでも??)のはむしろ日本の方で、拍手喝采した連中のおつむにあるナショナリズム的発想からいうとまさに「日本敗北」ですが、なにか? くだらない変化球よりも、日本銀行の手下みたいな連中に騙されないで少しは直球(円高・株安をとめるのは日銀のスタンス変更が一番)をみたほうがいいよ、本当にorz

 中川財務省の為替介入の口先介入 → いつの時代の手法でしょうかw その結果が現状ですw

 財務省だけの為替介入 → 日本銀行が為替介入の効果をちょうど打ち消すような金融調整をしますのでほとんど効果なし。市場関係者が驚いたらどうだかしりませんが(笑

 しかしここまで追い込まれても何もしないんだから物凄いところだなあ、日本銀行って。まさに自分の組織防衛のために国を売ってるよ。日銀よりのマスコミも同罪。

(補)
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*1:もちろん株価も円高もどこかでとまるでしょうけれどもその水準が事実上の恐慌状態にでもなったら笑えんですよね