福田徳三関連資料

http://d.hatena.ne.jp/arg/20081011/1223715363

 岡本さんのarg経由で存在を知る。これはすごい。この資料を10年くらい前に一橋大学図書館の皆さんのご好意で拝見させていただいたのですが、いまは自宅で簡単閲覧。現物は新聞紙に包まれてかなり痛んでいただけにこれはすごい作業です。ただこの福田徳三のドイツ語や英語で書かれた資料で、福田の理論の変遷を辿る上で重要なキーになる部分は実のところ未発展のままに終わっているのではないか、と思っています(改造社版の『経済学原理』を超えてないのではないか? とこれをここで書いてもたぶん日本でこれに応えることのできる方は5人もいなかったりして…笑)。もちろん金解禁問題に関するものとか、いくつかの欧文で書かれた論文の写しや草稿類には面白いものが多いですね。福田徳三って語学の天才なんだなあ、とつくづく思います。

 西沢保先生が近々講演されるそうですが、たぶん僕より早く(←反省すべし)福田徳三の評伝を出されるんじゃないでしょうか(日本経済評論社のシリーズでは近刊告知なので)。僕は福田の清算主義的な側面をどう彼の体系の中で解釈するかで試行錯誤してますのでちょっとまだかかりますね。いま400字換算で400枚ぐらいまできてるのですが……。

福田の重要資料:http://hermes-ir.lib.hit-u.ac.jp/da/handle/123456789/5488

ただちょっと残念なのは山田雄三氏寄贈分の中の福田徳三の「恐慌不況論」(卒業論文)と山田氏の出席した講義ノートがまだネットで閲覧できないことでしょうか。このふたつはかなり史料価値があると思います。